元コインベースCTOが米ドルのハイパーインフレに警鐘、ビットコイン100万ドル到達に賭ける
ハイパーインフレが起こる可能性に100万ドル
米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースの元最高技術責任者のBalaji Srinivasan氏は18日、米国でハイパーインフレが起こる可能性を警告し、ビットコインが今後3ヶ月で100万ドル(1億3,000万円相当)に達するという、俄には信じがたい賭けの内容を提示した。
事の発端は、ツイッターユーザーのJames Medlock氏(ペンネーム)が17日に投稿した「米国がハイパーインフレにならないことに100万ドル賭ける」というツイートだった。
Srinvasan氏は、その賭けに応じると返答し、次のような条件を提示した。
- Medlock氏が1BTCを購入
- Srinivasan氏が100万ドル(USDC)を送金
- 期間は90日間
- スマートコントラクトを設定し、90日後に1BTCが100万ドルを超えればSrinivasan氏の勝ち
- 100万ドルに達しなかった場合はMedlock氏が勝ち、米ドル(USDC)で100万ドルが支払われる
Srinivasan氏は「1BTCは約26,000ドル(ツイート時点)の価値があるため、これはほぼ40:1の勝算だ」とコメント。さらに自身の主張を証明するために、もう一人と同じ賭けをするとして、200万ドル分のUSDCを用意すると付け加えた。
Medlock氏は「賭けに乗った」とツイートで応じている。
銀行の破綻とハイパーインフレ
Srinivasan氏が無謀とも思える賭けを提案した理由については、ビットコインの価格の釣り上げなど、さまざまな憶測が飛び交っている。
同氏の主張としては「2008年の金融危機同様、銀行は嘘をついていた」という指摘だ。銀行には顧客の預金引き出しをカバーする十分な資金が存在しないという重大な問題があり、「典型的な部分準備金」といった状況では説明がつかないところまで来ていると警告した。
多くの銀行はすでに破綻している。 2008年の金融危機(リーマン・ショック)の後、銀行家への不信を学ぶべきだった。
当時、彼らは住宅ローンが悪いという単純な事実を隠すために、複雑な言葉を使っていた。そして今日、彼らはお金がなくなったという事実を隠すために、同じことを行っている。1つの銀行ではなく、すべての銀行でだ。そして、彼らは数カ月前に知っていたのだ..
Srinivasan氏は、相次ぐ米銀行の破綻が銀行危機へと発展し、世界経済が急速な変化の淵に立たされているとの見解を持っている。100万ドルの賭けはこのような状況において、ビットコインの有用性に注目させる手段なのかもしれない。
同氏は、さまざまなデータを示しながら、このように呼びかけている。
米国の銀行家やメディアを信頼するならば、私を無視してほしい。そうでなければビットコインを買って、取引所から引き出してくれ。
ハイパーインフレに関して、同氏は一気に悪化するものだと警告している。多くの人々は「徐々に悪化するアナログ世界に同調している」が、デジタル化が進んだ今、「デジタルイベントには予兆がなく、1から0になる」と注意を促している。「銀行の取り付け騒ぎのように。ただし、これは中央銀行の話だ。」
ドルのデジタル切り下げは近づいており、それは強烈なものになりそうだ。
米国と単純に比較することはできないが、南米アルゼンチンでは2月、年間インフレ率が100%を超え、1991年のハイパーインフレ以来、30年ぶりの高水準となっている。
ロバート・キヨサキ氏の見解
ベストセラーとなった『金持ち父さん貧乏父さん』の著者ロバート・キヨサキ氏は、米国のインフレ状況について警告を発し、当局が状況を正確に説明していないと批判している。
同氏は19日、米国のインフレは今やシステム化されており、今後も物価上昇は続くだろうと主張した。ジェローム・パウエルFRB議長は以前、インフレは一過性のものだと説明していたが、その時パウエル氏は「白々しい嘘をついていたのだ」と非難した。
キヨサキ氏はまた、米国が今後、銀行危機をどのように処理するかによって、インフレがさらに急上昇すると予測。銀行救済のために政府がお金を刷る可能性が高いと同氏は見ており、さらなるインフレ率上昇につながると説明した。
同氏は、インフレ問題が悪化し世界経済が不安定になる中、法定通貨に代わる「最良の選択肢」として、金や銀などの貴金属への投資を提唱しているが、ビットコインもまた、経済崩壊の影響を和らげる「貴重な資産」であると主張している。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します