ソラナのWeb3スマホ「Saga」、製品出荷開始
ソラナ・スマホの出荷開始
ソラナ(SOL)ブロックチェーン対応のスマートフォン「Saga」の予約注文分の出荷が開始されたことが14日に発表された。対象となる出荷先は、米国、EU、英国、カナダ、スイス、オーストラリア、ニュージーランドである。
価格は約1,000ドル(13万円)で、新規注文については2023年5月8日からの出荷予定となっている。公式サイトでは、100ドルの前金を支払うことでプレオーダーが可能だ。
このスマートフォンは33カ国で販売認証を取得しており、今後他の国へも展開する予定である。Solana Labsの子会社Solana MobileのエンジニアリングリードであるSteven Laver氏はTechCrunchのインタビューで、予約注文数が「一桁後半の数千台」であることを明かしている。
Sagaは、Web3アプリのUX(ユーザーエクスペリエンス)に重点を置いて設計されている。Solana Mobile Stack(SMS)SDKを使用して構築されたWeb3アプリやNFT(非代替性トークン)、DeFi(分散型金融)ユースケースをサポートし、ミントの通知機能や没入型ゲーム体験のためのカメラやセンサーなど、Web3体験に最適化されている。
仮想通貨ウォレットの秘密鍵は、Androidデバイス上でプライベートキーを安全に保管するためのプロトコル(SMS Seed Vault)で管理される。また、取引の指紋認証など、SMSで構築されたdAppsのユーザー体験が向上している。
スペックや特典など
スペック面では、Android OSベースの5G対応プロセッサー(Snapdragon® 8+ Gen 1)、12GB RAM、512GBフラッシュメモリ、6.67インチOLEDディスプレイが採用されている。最新ではないものの、処理性能はiPhone14にも匹敵する高性能だ。
Solana dApp Storeは、制限的なポリシーや高い手数料がかからない形で、Web3ネイティブアプリを配信する。最初に利用可能な分散型アプリには、音楽配信のAudius、メッセージングアプリのDialect、NFT市場のMagic Edenなどが含まれている。
各アプリには、Saga購入者向けの特典が設定されている。また、「Saga genesis token」NFTを取得することで、Saga専用の報酬プログラムに参加できる。
Sagaを開発している米企業OSOM Productsは、アンドロイドの生みの親であるAndy Rubin氏が2015年11月に創設したが、2020年初めに解散した米スマートフォンメーカー「Essential Products」の元開発チームによって設立された新興企業である。OSOMは2022年9月に、ソラナラボが主導するシリーズA資金調達ラウンドの完了を発表した。
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