Aaveのソーシャルグラフプロジェクト「Lens Protocol」、スケーリングソリューションを発表
イーサリアムのL3として稼働
ソーシャルグラフのプロジェクト「Lens Protocol」は27日、スケーリングソリューションのベータ版を開発者向けにローンチしたことを発表した。
新しいソリューションをローンチする目的は、ソーシャルネットワーク機能を組み込むアプリの拡張性を向上させること。Lens Protocolは、イーサリアム(ETH)のスケーリングソリューションであるポリゴン(MATIC)のネットワーク上で稼働しているため、今回のソリューションは「レイヤー3」であると主張している。
Lens Protocolは、大手DeFi(分散型金融)プロジェクト「Aave」を構築した実績を持つWeb3企業「Aave Companies」が開始したプロジェクト。ソーシャルグラフとは、フォロワーなどインターネット上の人間関係のことである。アプリの開発者はLens Protocolの技術を活用することで、容易にソーシャルネットワーク機能を導入することが可能だ。
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発表時は、今回のソリューションの名称を「Bonsai」としていたが、その後にWeb3領域にはすでに存在している名称だったと説明。本記事執筆時点では、新しい名称を募集している。
今回のソリューションは、ポリゴン上のトランザクションを処理する役割を果たし、結果的にトランザクションコストを下げる役割を果たすという。現在、分散型のソーシャルネットワークにとって、従来のSNSの使いやすさを維持したままユーザーが完全に自分のコンテンツを管理できるようにすることが最大の課題となっているが、今回のソリューションで、この課題の解消を目指すとした。
具体的な役割
以下は、今回の発表に掲載されている表。イーサリアムをレイヤー1、ポリゴンをレイヤー2として、各レイヤーの目的やコスト、セキュリティなどを比較している。
上記画像によると、各レイヤーの主な役割は以下の通り。
- イーサリアム:セキュリティ
- ポリゴン:プロフィール、ネットワークキング、コンテンツのトークン化
- Bonsai(旧称):投稿、フォローなどのネットワーク活動
- Arweave・Bundlr:データ保存
今回のソリューションはまだベータ版であるため、投稿やコメント、再投稿(mirror)といったトランザクションに限定して稼働。今後はコミュニティからアイデアを聞いたり、フィードバックを受けたりしながら、開発を進め、機能を拡充させていくという。
また、スケーリングソリューションとして一般的なユースケースにも対応できるため、ソーシャルネットワーク以外で利用することもできるとした。
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ポリゴンとは
暗号資産(仮想通貨)イーサリアムのスケーラビリティ問題に取り組むプロジェクト。「Polygon PoS」や「Polygon zkEVM」など複数のソリューションを開発している。
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