下落相場でビットコインシェア続伸の背景に、ICOプロジェクトによる売り圧力|仮想通貨市況

仮想通貨市場
仮想通貨取引所Geminiの「GUSD」と、パクソス社が提供する「PAX」が米NY州規制当局に承認されたものの、相場への影響は限定的。話題になっているイーサリアム暴落の背景に迫る。

仮想通貨市場

仮想通貨相場は11日、ゴールドマンサックスのトレーディングデスク一時白紙化報道から始まった下落から未だ値を戻さないビットコインを中心に、アルトコインはより厳しい状況に追い込まれており、時価総額も年初来最安値を再度割り込む勢いを見せています。

Fundstrat Global Advisors社Robert Sluymer氏が述べた ように、ビットコイン下落による重要サポートライン割れが相場に大きな爪痕を残した形となり、ゴールドマンの件がフェイクニュースとなった後も相場反発には至らず、立て直しができずに続落したことも、現在の厳しい局面を象徴しています。

日本時間昨夜、仮想通貨取引所Geminiの「GUSD」と、パクソス社が提供する「PAX」が米国NY州規制当局によって承認されたニュースは、規制に揺れる上で、不透明さが指摘される仮想通貨市場において極めて重要なニュースとなりましたが、一時的な相場の戻しにこそ繋がったものの、弱気相場の影響は色濃く、相場への影響は限定的です。

ドミナンスに注目

現在、仮想通貨市場全体の状況が悪い中で、続伸し続けているのは、ビットコインドミナンスです。

ビットコインドミナンスは、本日ついに56%台を記録。ここ2ヶ月で+18%の続伸とその勢いは衰えを見せません。主な原因とされるのは、相対的に弱い値動きを続けるアルトコインで、最も動いているのが主要通貨以外となる「Other」と、時価総額2位のイーサリアムです。

出典;CoinMarketCap

主要通貨以外、特に草コインと言われる通貨は、弱気市場の影響が直撃しやすく、「ICOブームの衰退」がすでに存在するICO通貨から遠ざける原因となっている可能性も指摘されています。

しかし、今回注目されている通貨はほかでもない、主要アルトのイーサリアムです。ビットコインに次ぐ時価総額2位に位置する通貨ということもあり、下落した現在でも市場全体の10%以上のシェアを維持する重要通貨となっています。

日本ではあまりコミュニティにフォーカスされないため、話題になりにくい状況もありますが、海外での人気は著しく、現在の相場下落の状況を大きく危惧する声も多く上がっています。

イーサリアムの下落原因と考えられるのは、以下の2点が大きいと考えられます。

1. 昨年末の暴騰相場の火付け役のひとつになった通貨プラットフォームとしての需要半減(ICO通貨の価格衰退や主要イーサリアムベース通貨のERCからメインチェーン移行なども含む)

2. ICOプロジェクトで資金調達された「大量のETH売却」による売り圧力

主因として指摘されているのは、上記2点です。

イーサリアムは、他に複数のプラットフォーム通貨が生まれた現在でも、依然として最も選ばれているプラットフォームとなりますが、中長期的な下落による需要減だけでなく、EOSやTRXなどを含む旧ERC20通貨が、独自のメインネットに移行したことも大きく影響していると考えられます。

しかし、最も問題視されているのは、昨年から今年前半にかけて”莫大な資金”を集めたICOプロジェクトによるETHの売却による資金捻出が、相場の売り圧力となっているという点です。

これは、直近のICO売却額の推移ですが、9月に入り急激に売却量が上がっていることが、グラフ推移から読み取ることができます。

その売却額は153,500ETH(現在のレートで約33億円相当)に上ることが記載されており、2018年3月以降最も多くのETHが売却された模様です。

また、未だICOプロジェクトが有するETH、が6,000,000億ドル(668億円相当)が残っていることも懸念点と言えるでしょう。

これは現在のイーサリアム時価総額の約3%に該当しますが、市場全体が弱気相場にある中で、この状況が悪影響を及ぼしたことは間違いないと思われます。

なお、米投資会社PlaceholderのBurniske氏が自身のTwitter上にて、今後の仮想通貨ビットコインとアルトコインの価格上昇・下落について、過去のデータを基にした考察内容を投稿しています。

かなり現在の状況と、今後の展開について興味深い意見も多く、チェックしておきたい内容です。

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米投資会社PlaceholderのBurniske氏は、自身のTwitter上で、今後の仮想通貨ビットコインとアルトコインの価格上昇・下落について、過去のデータを基にした考察内容を投稿した。

仮想通貨(ブロックチェーン)関連株

横ばい、もしくは弱含みの銘柄も目立つ中、コインチェック株の売却時にマネックスグループとアーンアウト条項を締結しているセレス(3696)が比較的堅調に推移しており、本日も4.39%高に。

資本業務提携を行う仮想通貨取引所「bitbank」が、金融庁による業務改善命令を機にセレスの都木社長を取締役に迎え入れたことで注目度が上昇しているほか、グッドラックスリーと共同開発で、ブロックチェーンゲームの「くりぷ豚」をリリースしており、dAppsの関連銘柄としても知られています。

一方で、同じブロックチェーン関連銘柄のアクセルマーク(3624)は4.14%安、モバイルファクトリー(3912)は2.61%安と、冴えない動きで終わりました。

有望視されている仮想通貨(ブロックチェーン)関連株の最新情報は、以下の記事でまとめているので参考にどうぞ。

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