ビットコイン反発、ステーブルコインの純流出は減少傾向に
マクロ経済と金融市場
前週末12日の米NY株式市場では、ダウ平均株価は前日比38ドル(0.02%)安で取引を終えた。
同日発表された米ミシガン大学が発表した「消費者信頼感指数(速報値)」は予想以上に悪化して昨年11月以来の低水準となるも、長期期待インフレ率は上昇した。
指数悪化は、米国の一般消費者の経済に対する信頼や期待が低下していることを示し、長期期待インフレ率上昇は、将来の物価上昇リスクが高まっているとの見方を反映する。このような経済指数はFRB(米連邦準備制度)の金融政策判断に影響を及ぼす可能性があるため、市場からも注視される。
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仮想通貨市況
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比1.33%高の27,192ドルに。
三尊のネックラインを割り込み急落したが、25,200ドルのサポートを前に25,800ドルで反発した。
米国政府が米国債の元本償還や利払いができなくなる「デフォルト(債務不履行)」に陥る重大なリスクに直面している。
政府の借入金の限度を定めた「債務上限(31.4兆ドル)」の引き上げは議会の承認が必要であるが、与野党の主張が真っ向から対立しており協議に進展は見られず来週へと持ち越しに。
イエレン財務長官は先日、「早ければ6月1日にデフォルトになる恐れがある。」と警鐘を鳴らした。
信頼性の高い資産であるはずの米国債が万が一にもデフォルトとなれば金融市場への影響は計り知れない。米国はグローバルな金融システムにおいて各国で重要な役割を果たしており、米国債やドルは、国際取引や金融機関の担保として広く使用されているからだ。
信用が失墜し米国債に対する信頼が揺らげば、米国債の価値が下がり、債券保有者にとっては大きな損失となる可能性がある。そうなれば、国債格下げを伴うリスク性資産の大幅下落や国債を大量保有する銀行の経営破綻リスク上昇などが指摘される。
ステーブルコインUSDCを発行する米サークルは、「6月以降に満期を迎える米国債を保有しない」こと明言するなど、デフォルトリスクを軽減するため、準備金の調整を始めた。
Glassnodeのデータによれば、ステーブルコインのネットポジションにおける純流出(引き出し)量が減少しつつある。
22年5月に発生したアルゴリズム型ステーブルコインの「UST(TerraUSD)」の崩壊およびテラ(LUNA)ショックの影響を受け、市場参加者が大量に償還したため、月間流出額はピーク時に86億ドルに達した。
流出の減少は、暗号資産の需要増加とセンチメント(市場心理)の改善を示唆する。
一方で、一時期隆盛を誇った米ドル連動型のステーブルコイン2位のUSD Coin(USDC)は、預入先の1つであったシリコンバレー銀行が経営破綻した影響で価格乖離(ディペグ)を引き起こし、本来維持されるはずのドルに対する1:1の価値を保てなかったため、その後の勢力は大きく減衰。
同3位のバイナンスUSD(BUSD)も、米NY州金融サービス局から新規発行停止を命じられた影響で大規模な純流出に直面し、結果的にテザー(USDT)のドミナンス(市場占有率)が再び急増している。
テザーは、2023年第1四半期に約15億ドルの利益を生み出し、準備資産の内4%と2%にあたる金(ゴールド)とビットコインの保有量を初めて公開した。
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