大手仮想通貨取引所OKX、UAEドバイで事業拡大へ
OKX、ドバイで準備的ライセンスを取得
大手暗号資産(仮想通貨)取引所OKXは15日、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイの仮想通貨規制局(VARA)から準備的なライセンスを取得したと発表した。
OKXは、「UAEは重要な戦略的成長とビジネスの拠点」だとしており、今後、中東の事業を拡大していく計画だ。
取り組みの一環として、ドバイ世界貿易センターに新しいオフィスを開設し、現地採用者と上級管理職を中心にして、ドバイのスタッフ数を30名に拡大するとしている。また、他企業などとのパートナーシップをUAEでも行っていく。
今回取得した準備的ライセンスは、OKXがVARAの規制下で、最小限の製品を扱う上で必要となる前提条件を満たしたことを意味する。
今後、完全な運営ライセンスを取得した暁には、OKXの中東部門「OKX Middle East」は、米ドルおよびUAEの法定通貨ディルハムの入出金、スポット取引、デリバティブなど一連の仮想通貨サービスを機関投資家や資格のあるユーザーに提供できるようになる。
ドバイの仮想通貨規制局(VARA)とは
2022年に設立。ドバイ首長国全域における仮想通貨と、仮想通貨サービスプロバイダーの規制、監督を役目とする規制機関。なお、ドバイ国際金融センターについては、独自の規制当局を持っているため、VARAの規制や監督の対象としては除外されている。
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OKXグローバルガバメントリレーション責任者のティム・ビョン氏は、次のようにコメントした。
ドバイでのライセンス取得は、OKXの世界的な規制遵守戦略の上でも重要だ。今日の不確実な市場環境では、暗号資産サービスプロバイダーが、安全で透明、法律に準拠していることが大切だ。それにあたっては明確な規制に裏付けられていることが肝心である。
VARAの包括的な規制枠組みの下で、すべての事業者は、従来の金融サービスで知られるような既存の原則に照らして、コンプライアンス、リスク管理、セキュリティ、消費者保護の高い基準を満たさなければならない。
OKXは3月、仮想通貨業界を支援する政策を進める香港でも、現地法人を設立し、ライセンス申請を行う意向だと発表していたところだ。
仮想通貨規制を明確化するドバイ
アラブ首長国連邦(UAE)は仮想通貨やWeb3を積極的に進めている。バイナンスやBybit、Crypto.comもすでにドバイでライセンスを取得済みだ。
VARAは2月に、仮想通貨関連の規制ガイドラインを発表。仮想通貨の発行、ライセンス制度、マネーロンダリング・テロ資金調達防止や、マーケティングとプロモーションなどに関する基本原則と目標を規定している。
匿名性の高い通貨の発行や、関連するすべての事業活動を禁止することも盛り込んだ。
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米大手仮想通貨取引所コインベースのCEOらも、5月にUAEを訪問し、現地の規制体制を評価していた。明確なルールが公開されており、仮想通貨事業に肯定的で、投資家保護が強化されているとも述べている。
コインベースの幹部Nana Murugesan氏はこの際、「この地域は、コインベースの戦略的なハブ(中心地)になる可能性を秘めている」とも発言していた。
米国では、米証券取引委員会(SEC)が仮想通貨業界に明確な規制ガイドラインを提示しないまま、法的執行措置を取り続けていると批判の声が上がっている状況だ。
こうした中、米国の仮想通貨企業の一部では、海外事業に可能性を見出す向きもある。
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