「SECの提訴は越権行為」米コインベースが訴訟却下を申し立て 

「SECの主張は却下されるべき」

米暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースは29日、米証券取引委員会(SEC)が同社に起こした訴訟で、新たな裁判書類を地裁に提出した。SECの申し立てを却下するよう申し立てている。

SECが有価証券とみなしているトークンは投資契約ではなく、SECはその権限を超えた訴訟を行っていると主張した。

コインベースのポール・グレワル最高法務責任者は、次のようにコメントしている。

私たちは、SECを含むあらゆる規制当局との対話をいつでも歓迎しており、新たな法律と規則制定が、前進のための正しい道だと信じている。

しかし、この訴訟におけるSECの主張は、現行法の範囲をはるかに超えており、却下されるべきだ。

コインベースの申し立て内容

コインベースはまず、SECが2021年4月にコインベース株式上場にあたっての届出書を有効とした際の手続きを挙げている。この際には、コインベースとの数年にわたる議論と、数か月にわたるレビューのプロセスが行われていたと指摘した。

コインベースは、SECに事業内容を公開し、取り扱う仮想通貨のリストや、取引サービス、ステーキングサービス、セルフカストディウォレットなどについても説明していた形だ。

今回の裁判でSECは、コインベースに上場している12銘柄が「有価証券」であると主張している。しかし、これら12銘柄のうち6銘柄は、SECが登録届出書を有効とした時点ですでにコインベースが取り扱っていた。

その時点(2021年)でSECは、それらを有価証券だと指摘してはいなかった。

「投資契約」について

さらに、コインベースは「投資契約」とは何かについても議論している。例えば投資契約は、みかんの販売や流通など、投資家全員に利益をもたらすようなビジネス運営に当てはまるとしている。

こうした、利益を生み出すための契約上の取り組みや、経営陣が投資家に対して負う、法的強制力のある義務がなければ、それは単なる「資産販売」であり、「投資契約」とはみなされないと申し立てた。

コインベースは、次のように続けている。

「資産販売」である取引を通じてユーザーが受け取る利益は、ビジネスではなく、ユーザーが購入したもの(この場合、仮想通貨)に内在している。その場合、売買取引は有価証券取引とはみなされない。

SECによる、最近の過剰な規制以前には、「投資契約」を単独の資産売却に適用するように解釈した判例は存在しなかった。

また、特にSECが有価証券とみなしたトークンのうち6銘柄について、それぞれのプラットフォームで提供されるサービスや取引手数料の支払いなどに使える有用性(ユーティリティ)のあるもので証券ではないとも論じている。

コインベースは、サンドボックス(SAND)、ファイルコイン(FIL)、カルダノ(ADA)、ソラナ(SOL)、フロー(Flow)、ポリゴン(MATIC)トークンがこうした性質を持つと述べた。

SECとは

1934年設立。公正な取引の確保と投資家保護を目的としており、インサイダー取引や企業の不正会計、相場操縦などを防止する。仮想通貨が有価証券に該当するかという判断も行う。SECは「Securities and Exchange Commission」の略で、日本では「証券取引等監視委員会」が近い役割を担っている。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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