ツイッターが米国3州で送金業者ライセンス取得、オールインワンアプリへの一歩か

ツイッター 送金機能への期待

ソーシャルメディア大手のツイッター社が3日、米国内3州にて送金業者としてのライセンスを取得したことが判明した。

金融サービス情報サイト「NMLS Consumer Access」によると、ツイッター社はニューハンプシャー州、ミシガン州、ミズーリ州で、米国の送金業免許「Money Transmitter License(マネートランスミッター ライセンス)」を取得している。

マネートランスミッターライセンスは、顧客間の資金移動サービスを提供する個人や企業が取得するべき免許であり、これにより為替業務やプリペイドカードの発行も可能となる。ただし、ツイッター社が全米で送金業務を展開するためには、各州ごとにライセンスの取得が必要となる。

このニュースは、必ずしもツイッター社が仮想通貨決済を取り入れるという結論を導くものではないが、過去に仮想通貨ウォレットの統合が示唆されていたこともあり、ソーシャルメディア上での注目度は高まっている。

22年にツイッター社を買収したイーロン・マスク氏は、当初から仮想通貨ウォレットの統合に積極的だった。ただし、社内体制の改革やサービス改善を優先した結果、ウォレット機能の実装は一時的に停止された経緯がある。

また、マスク氏は、WeChatのような「オールインワンアプリ」を作りたいという意向を示していた。WeChatは、ビデオチャットからメッセージング、ストリーミング、決済、投資サービスまで一手に担う「スーパーアプリ」と称されている。

現在、ツイッター社の会長およびCTO(最高技術責任者)を務めるマスク氏は依然として、包括的なソーシャルアプリ「X, The Everything App」実現への関心を示唆している。

一方、ツイッターの新CEOに就任した、リンダ・ヤッカリーノ氏は公の舞台で仮想通貨についてコメントしていない。しかし、ヤッカリーノ氏が仮想通貨ドージコイン(DOGE)の主要開発者をツイッター上でフォローしていることは周知の事実となっている。

関連:イーロン・マスク氏、ツイッターのCEOを退任へ 後任決定を発表

ツイッターキラーアプリの登場

ツイッターを買収して以来、マスク氏は大幅なサービス変更を進めてきた。先週末には、ツイッターが未登録ユーザーが閲覧可能なツイート数を制限する「スクレイピング」の導入を発表したが、この動きには一部から不満の声が上がっている。

また、ツイッターは4日に、ジャーナリストやソーシャルメディア専門家がよく利用するツール、TweetDeckに大幅な変更を加えたことを発表した。この改革により、約1ヶ月後にはTweetDeckが有料化されると見られている。

一方で、ツイッターの混乱に乗じて、ユーザーを奪おうとする「キラー」アプリも出現している。ツイッターと同じ分散型SNSの「Bluesky Social(以下Bluesky)」は、iOS向けのAppleのアプリストアでテスト配信を開始している。Blueskyはもともとツイッター社が開発を主導しており、ジャック・ドーシー氏がツイッター社に在籍していた時に開発が始まった。2021年には、仮想通貨Zcash(ZEC)のソフトウェアエンジニアの経験を持つJay Graber氏をプロジェクトリーダーに任命し、注目を集めた。

さらに、Instagramは6日に、テキストベースのコミュニケーションアプリ「Threads(スレッズ)」のiOS版をリリースしたと発表した。Threadsは、ツイッターに似た公開討論のプラットフォームを提供し、ユーザーは自身のInstagramアカウントを使ってログインし、既につながりのあるユーザーをフォローすることが可能となっている。

メタを提訴か

ツイッターはThreadsをめぐり、メタを提訴する可能性を示唆したことが7日に報じられた。ツイッターの弁護士アレックス・スピロ氏はメタがツイッターの機密情報にアクセスできる元従業員を雇用したとして、ザッカーバーグ CEO宛の書簡で、「ツイッターは知的財産権を厳格に行使する意向だ。メタに対し、ツイッターの企業秘密など機密性の高い情報の使用を停止する措置を直ちに取るよう求める」と述べたという。

一方、メタの広報担当者は「Threadsのエンジニアリングチームにツイッターの元社員はいない」とスレッズに投稿し指摘を否定した格好だ。

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