バイナンスでIEO実施のArkham、オンチェーンデータの電子市場をローンチへ プライバシーに懸念の声も
ブロックチェーンデータを売買
大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスは10日、Arkham(ARKM)のトークンセール(IEO販売)の計画を発表した。
バイナンスのローンチパッドでトークンセールが行われるのは、これで32回目。ARKMトークンは、オンチェーンデータプロバイダー「Arkham Intelligence(以下Arkham)」が構築する経済圏でネイティブ通貨として利用される。
トークンセールは、日本時間の11日9時から6日間の準備期間が始まり、BNB残高の計算を開始。BNBの数量に応じて最終的にARKMが配布されるのは、同18日の16時の予定である。
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Arkhamは、バイナンスでのトークン販売に合わせ、オンチェーン情報の売買プラットフォーム「Arkham Intel Exchange」をローンチすることを発表。このプラットフォームが稼働を開始するのは18日だとした。
Arkham Intel Exchangeでは、あらゆる仮想通貨ウォレットに関する情報が売買される。例えば、「特定のヘッジファンドのアドレスはどれか」や「著名人を装っている人物が本当は誰なのか」などの情報だ。
Arkhamはホワイトペーパーで「ブロックチェーン上の情報は公開されているが、そのままでは匿名性が高く、利便性が低い」と主張。同社は、ブロックチェーン情報の非匿名化に取り組んでいる。
売買プラットフォームを提供する目的は、情報を提供したい人と提供して欲しい人をマッチングすること。情報は、即決価格かオークション形式で販売される。
Arkhamは、売買プラットフォームを構築した背景には、以下の2つのトレンドがあると説明した。
- 投資家やジャーナリストらの間でオンチェーン分析の需要が高まっている
- 優秀なリサーチャーが増えているのに、報酬を得る機会が不足している
今回の発表では、売買される情報はArkham Foundationが認証したものであり、正確で信頼できると主張。利用するスマートコントラクトはQuantstampが監査していると説明している。
非匿名化の懸念
なお、売買プラットフォームを称賛する声もある一方で、プライバシーを懸念し、批判も多く上がった。
あるツイッターユーザーは、個人の情報やデータを売買するようなサービスには情報やサポートの提供はできないと主張。個人情報を取り扱う際は、プライバシーを尊重し、倫理をわきまえることが重要であると指摘した。
また、Arkhamのサービスは「Dox-to-Earn」であるとの声も上がっている。「dox」とは個人情報をインターネットにさらすこと。つまり、「個人情報をさらして稼ぐ」ことができるサービスであると指摘している。
また、一部のArkhamのリファラルリンクのコードから個人のEメールが漏洩したことも明らかになっている。
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