米コインベースCEO、米民主党議員グループと会合へ
仮想通貨の立法で発言予定
米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースのブライアン・アームストロングCEOは19日、米下院民主党議員のグループと非公式に会談し、暗号資産(仮想通貨)をめぐる立法について発言を行う予定だ。ロイター通信などが報じた。
民主党の議員グループの広報担当者は、アームストロング氏は会合で税金、国家安全保障、プライバシー、気候など関連した問題についても話す予定だと述べている。
これらの問題と仮想通貨が具体的にどのように関わるのかについては説明がなかったが、例えば仮想通貨課税や、PoW(プルーフオブワーク)銘柄のマイニングにかかるエネルギー消費問題などが関連する可能性もありそうだ。
この会合には、経済成長やイノベーションの促進、財政的に責任のある政策に尽力することを掲げる民主党議員グループ「New Democrat Coalition(新民主党連盟)」のメンバーが参加する。
対SEC訴訟の渦中
コインベースは米証券取引委員会(SEC)が起こした訴訟に直面しているところだ。SECは、コインベースが未登録証券の販売を行っていたなどとして訴えている。
一方で、コインベース側は、SECが明確な規制ガイダンスを提供しないまま、恣意的に法的措置に訴えているとして批判。コインベースが昨年SEC宛てに提出していた、規制枠組み開発を求める請願書への返答を求めて限定的な裁判を起こした。
コインベースの起こした訴訟で、控訴裁判所は本件に関して7日以内に返答するようSECに命じたが、SECはこれを拒否している。
今後120日以内に請願書について、SEC内部で推奨事項をまとめ、10月11日までにこの件に関する状況を裁判所に報告できるようにするとした。
SECがコインベースに対して起こした訴訟では、13日に地方裁判所で事前ヒアリングが行われている。
この際、キャサリン・ポルカ・ファイラ判事は、SECが2021年にコインベースのナスダック上場で登録を認可したことは、SECがコインベースの事業内容やトークンの証券性についてある程度の知識を持っていたことを意味する可能性があると話した。
SEC側は、上場許可はSECがトークンの証券性を調べていたことを意味するものではないなどとして反論している。
また、事前ヒアリングでは、コインベース側はステーキングサービスに証券性はないと主張する一方、SEC側は証券性を含み得ると申し立てており、対立を改めて明らかにしている。
ステーキングサービスについてコメント
コインベースは現在、州当局からの要請を受けて。カリフォルニア州、ニュージャージー州、サウスカロライナ州、ウィスコンシン州でステーキングサービスの新規提供を停止しているところだ。
州当局は、コインベースのステーキングサービスが未登録有価証券に当たると申し立てている。
この状況について、コインベースの公式アカウントは次のようにコメントした。
特定の州でのステーキングを制限しても、その州の住民には何のメリットもない。 それは単に、それら州の住民が仮想通貨経済に参加してその恩恵を受ける力を制限するだけだ。
しかし当社はコンプライアンスを重視しているため、州の命令に従う。
また、現在多くのブロックチェーンが、オープンで安全で環境に優しいステーキングに依存していると指摘。そのような面からもステーキングを支持しているとも続けた。
ステーキングとは
異なるブロックチェーン同士が相互運用できるようにするためのインフラや技術のこと。別のブロックチェーンで特定の仮想通貨を使う場合の技術の1つに「Wrapped Tokens」がある。この技術では、元の仮想通貨をロックアップして同等のWrapped Tokensを作成することで、様々なブロックチェーンでその仮想通貨の代替物を活用できるようになる。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します