コインベース、カナダ事業を正式に立ち上げ

カナダに大きな事業拠点を設置

大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースは14日、カナダ事業を立ち上げた。

カナダの決済企業Interacと提携しており、ユーザーはInteracのオンライン送金システムを通じて、コインベースウォレットへのカナダドル入出金を円滑に行うことが可能だ。

2023年後半には、EFT(電子送金)システムを導入し、EFTを介した直接的な銀行送金も行えるようにする計画だ。ユーザーの入出金円滑化、1日あたりの取引可能額の増加などを目的としている。

また、サブスクリプションサービス「Coinbase One(コインベースワン)」の30日間無料トライアルも提供する。

コインベースワンは、月額29.99ドル(約4,400円)支払うことで取引手数料無料、ステーキング報酬の増額、手厚い顧客サポートなどの特典が受け取れるサービスだ。

カナダのコインベース事業は、現地に200名近くのフルタイム従業員を擁しており、米国外で同社最大の拠点となる。

ステーキングとは

特定の仮想通貨を保有することで、その通貨のブロックチェーンネットワークを管理することに貢献し、対価として報酬を得る仕組み。厳密には、仮想通貨を保有するだけでなく、ネットワーク上に預け入れておく必要がある。銀行口座に法定通貨を貯金し、一定期間後に利子を受け取る仕組みに類似しているといえる。なお、ステーキングは、PoS(Proof of Stake)のコンセンサスアルゴリズムを採用している通貨で行うことができる。

▶️仮想通貨用語集

仮想通貨についての意識調査

コインベースは、カナダに仮想通貨の可能性を見ている理由の一つとして、同国のオンタリオ証券委員会が2022年10月に発表した調査結果に言及した。

2022年4月から5月にかけてオンラインで2,360人のカナダ人を対象に行われたこの調査によると、調査対象者の13%が、その時点で仮想通貨または仮想通貨関連の投資商品を所有していた。

さらに31%が、今後12カ月以内に仮想通貨を購入する予定だと回答。38%が、仮想通貨は現在、金融システムにおいて重要な役割を果たしていると考えていた形だ。

なお、この調査では少なくとも500人の仮想通貨所有者が調査に含まれるように、175人の仮想通貨所有者を追加で対象に加えている。

規制強化

カナダの証券管理局(CSA)は2月、投資家保護を理由にして仮想通貨規制を強化したところだ。

仮想通貨取引所は、カナダのユーザーに対してレバレッジ商品を提供してはいけない。また、CSAによる同意なしに、ユーザーにステーブルコインなどの購入・預金サービスを提供することも禁止されている。

こうした動きを受けて、仮想通貨取引所バイナンスやパクソスは、「規制当局との対話は続ける」としつつも、いったんカナダでのサービスを終了した。

関連バイナンス、カナダ市場から撤退 規制強化受け

一方で、カナダ議員のグループは6月、仮想通貨とブロックチェーンを支持する報告書を同国政府に提出している。

ブロックチェーンに長期的な経済効果や雇用創出の可能性を見出しており、カナダの新興技術として認識することを勧告する内容だ。

スタートアップ企業が試行錯誤を行える規制サンドボックスの創設や、政府に規制されたカストディアンの設立、政府が新興産業に対して中立かつ公平な立場を取ること、仮想通貨マイニング事業の育成などを推奨している。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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