決済企業Checkout.com、バイナンスとの提携を終了

Checkout.comがバイナンスとの契約解消

英国の決済企業Checkout.com(チェックアウト・ドット・コム、以下チェックアウト)は9日と11日に、最大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスに書簡を送付し、提携を解除すると通知した。フォーブスが18日に報じた。

チェックアウトのギヨーム・プサズCEOは書簡で、「規制当局の行動や命令についての報告」と「パートナーからの問い合わせ」を理由にして、バイナンスとの契約を打ち切るとした格好だ。

11日付けで出された2通目の手紙では、バイナンスにおけるマネーロンダリング防止、経済制裁、コンプライアンス管理の対策などについて懸念があると述べていた。また、8月17日より契約解除となるとしている。

チェックアウトの広報担当者も、バイナンスとの契約終了を確認した。

チェックアウトは、ここ数カ月でバイナンスの取引を約436億円から582億円(3億ドルから4億ドル)処理していた。また、関係筋によると、かつてバイナンスはチェックアウトの最大の顧客で、2021年の1か月間だけでバイナンスにおける約2,900億円(約20億ドル)の取引を処理していたという。こうしたバイナンスとの契約関係は、同社の成長にも寄与していたとみられる。

バイナンスは法的措置を検討

バイナンスの広報担当者は、契約解消について、チェックアウトが提示している理由には同意できず、法的措置を検討しているとコメント。次のように続けた。

私たちは業界をリードする法的遵守プログラムを構築するために長い間努力を続けてきた。今後も、規制当局やパートナーと共に信頼をより強固なものにしていきたい。

「Binance Connect」閉鎖背景の一つか

バイナンスの広報担当者は、チェックアウトの撤退が「当社のサービスに影響を与えることはない」とも述べている。

ただ、バイナンスは仮想通貨の決済や売買を可能にするサービス「Binance Connect」の提供を16日に終了しており、これはチェックアウト撤退の影響を受けていた可能性がある。

「Binance Connect」は、2022年3月に立ち上げられたプラットフォームで、仮想通貨企業と従来型金融システムの橋渡しとして機能するものだった。50を超える仮想通貨の銘柄や法定通貨を扱い、ユーザー企業が法定通貨による支払いを仮想通貨で受け取ることなどを可能にしていた。

BNBチェーン上のDEX(分散型取引所)であるBiswapは、「Binance Connect」閉鎖の理由として、「バイナンスが主要事業に集中すること」と同時に「Binance Connectのプロバイダーが、カード決済サービスへの対応を終了したこと」も挙げていた。

このプロバイダーは、チェックアウトのことを指していたとみられる。

関連バイナンスが事業の見直しを実施 「Binance Connect」の提供を終了へ

米証券取引委員会(SEC)が6月にバイナンスを提訴して以降、EU地域の法定通貨ユーロ(EURO)で同取引所のバンキングパートナーだったPaysafe Payment Solutionsも、バイナンスとの提携を解消するとしている。

Paysafeは、バイナンスでのユーロ取り扱いを2023年9月25日に終了すると述べた。なおバイナンスは、銀行振込によるユーロ入出金については、新しいサービスプロバイダーと提携を結ぶと説明している。

バイナンスとは

取扱銘柄や取引高、登録者数が非常に多い大手仮想通貨取引所を運営。他にもベンチャーキャピタル部門の活動や教育コンテンツの提供、慈善活動など幅広い事業を展開している。22年11月には、日本市場への進出を発表した。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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