ソニーがブロックチェーン開発へ、スターテイル・ラボと合弁会社設立
ソニーのブロックチェーン開発
Web3技術のインフラ開発を手掛けるスターテイル・ラボと、ソニーグループの一翼を担うソニーネットワークコミュニケーションズは11日、9月中に合弁会社「Sony Network Communications Labs Pte. Ltd.」を設立することを公表した。
両社は共同でブロックチェーンを開発する方針だ。Web3時代を支えるグローバルインフラの確立、及びWeb3の新たな用途の発掘に意欲を示している。
特に、エンタメから金融まで、ソニーグループの多岐にわたる事業領域との連携を通じて、新しい価値提供に取り組むとした。
ソニーネットワークコミュニケーションズ(旧:ソネット株式会社)は1995年に設立されたソニーグループの事業会社。主にIoT事業、「NURO 光」などの通信事業やIoT、ソリューションサービス事業を手がける。AI、Web3を初めとする新興領域では、ソニーグループ内のアセットを活用した新規事業等も推進している。
ソニーネットワークコミュニケーションズの渡辺 潤社長は「スターテイル・ラボのWeb3に関する知見や技術力を融合することで、Web3時代を支えるグローバルインフラとなるブロックチェーンを創っていきたい」とコメントした。
マルチチェーン対応のWeb3アプリケーションや関連インフラの開発を行うスターテイル・ラボは、日本発のパブリックブロックチェーン「Astar Network(ASTR)」の共同創設者である渡辺創太氏のもと、今年1月に設立された。その目的は、アジアにおけるWeb3(分散型ウェブ技術)の展開を促進することだ。
同社は今年6月、シードラウンドでソニーネットワークコミュニケーションズから約5億円を調達したことを発表。この取引を受け、ソニーネットワークコミュニケーションズの渡辺 潤社長が、スターテイル・ラボの取締役に迎えられた。その後、わずか3か月という短期間で、今回の合弁会社の設立へとシフトしている。
スターテイル・ラボの渡辺 創太CEOは、「今回の合弁会社は両者の保有するアセットや知見を持ち寄り、世界をリードするWeb3プロダクトを共同開発するために設立された。Web3の次のトレンドとタイミングをしっかり見極め世界で挑戦していきたい。」と述べた。
加えて、渡辺氏は米国の大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースが支援するL2ネットワークBaseを例に取り上げ、より広範囲なエコシステム形成も可能になると期待を寄せた。
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Astar Networkとは
時価総額ランキング上位のブロックチェーンであるポルカドット(DOT)に史上3番目に接続されたパブリックチェーン。渡辺創太氏が代表取締役CEOを務めるステイクテクノロジーズが開発を主導する。Astarの特徴は、複数のブロックチェーン間での接続が可能で、スマートコントラクトの中継点として機能するように設計されていることです。技術的には、イーサリアム互換の開発環境と、次世代の開発環境であるWebAssemblyにも対応している。
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合弁会社Sony Network Communications Labs
2023年9月中にシンガポールを拠点として設立予定の「Sony Network Communications Labs Pte. Ltd.」では、渡辺 潤氏がChairman(最高経営責任者)の役職につく。資本金は1,000,000シンガポールドル(約1億円)とされ、出資内訳はソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社が90%、Startale Labs Pte. Ltd.が10%。主要な事業範囲は、ブロックチェーンに関する企画開発およびそれに関連する事業となる。
Startale Labsの渡辺創太CEOは7月25日、WebXカンファレンス(WebX実行委員会主催、Coinpost協力)で、グローバルなWeb3向けのインフラサービスの提供を計画していることを公表した。「次の上昇相場に向けた重要な準備期間」と位置づけた今後6か月間に、企業、金融機関、政府との連携を深め、複数のプロジェクトを立ち上げる構想を明らかにしていた。
最近では、大手企業が公開型(パブリック)ブロックチェーンの基盤を活用して、独自のブロックチェーンを構築や新たなサービスの提供を進める動きが加速している。
共通ポイントサービス「Ponta(ポンタ)」を運営する株式会社ロイヤリティ マーケティングは先週、米国のAva Labs社の技術である「Avalancheサブネット」を用いて、新しいコンソーシアム型のブロックチェーンの構築を計画していることを公表した。
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Web3とは
Web3は、ブロックチェーン、仮想通貨、NFTを活用し、ユーザーに所有権を移行する新しいインターネットビジョンを指す。Web1が読み取り専用、Web2が読み書き可能なのに対し、Web3は読み書き+所有が可能となる。所有権の拡張、検閲耐性、分散型自律組織(DAO)、デジタルアイデンティティ、ネイティブペイメント(金融の自主性)など、ユーザーに革新的な機能を提供する。
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