ビットコインマイニング機器大手カナン、最新モデルAvalonシリーズ「A1466」発表 電力効率で優れた性能を実現

Canaan Inc.(CAN)の新商品

シンガポールを拠点とする、米国ナスダック上場の暗号資産(仮想通貨)マイニング専用集積回路(ASIC)メーカー、Canaan Inc.(カナン:CAN)は12日、Canaan Avalonシリーズの新製品「A1466」について、液冷式と空冷式モデルを発表した。

新モデルA1466はハッシュレートが150テラハッシュ/秒で、エネルギー効率比は21.5ジュール/テラハッシュとなっている。更に、液冷タイプのA1466Iはハッシュレートが170TH/s、エネルギー効率比19.5J/Tというスペックを持ち、価格は1テラハッシュあたり18.88ドル以下となる。このA1466Iは、名目上のエネルギー効率比が20J/Tを下回るCanaanの初のマイニングリグである。

一方、前モデルであるA1366(2022年10月発売)は、130TH/sのハッシュレートと3250Wの消費電力を持ち、エネルギー効率は25J/Tとされる。

エネルギー効率比は、マイニングリグが消費する電力とマイニング能力の間の関係を示す指標で、この値が小さければ小さいほど、効率的なマイニングが可能であることを意味する。ビットコインのマイニングは大量のエネルギーを要するため、エネルギー市場との関連性は深い。

特筆すべきは、A1466の価格は1テラハッシュあたり18.88ドルと、競合のBitmainの次期モデルS19j XP(Q4発売、151Tハッシュレート、3247W消費電力、21.5J/Tエネルギー効率)の23.1ドル(割引後)と比べても、非常に競争力がある。しかし、A1466Iの供給は2024年のQ1からQ2にかけてとされる。

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拡大するBTCマイニング産業

ビットコインのマイニングは取引を検証・承認する「採掘」行動のこと、分散型の取引台帳であるブロックチェーンの信頼性を確保する上で重要だ。近年ビットコインのマイニング活動は急速に増加しており、2023年9月12日現在のビットコインのハッシュレートは約400エクサハッシュ/秒で、2021年6月と比較して5倍増加している。

専門家の中には、規制や市場の不確実性の中で、米国のマイニング産業がさらに成長すると予測する声もある。2024年4月頃にはビットコインの4年に一度の「(報酬)半減期」が来るため、マイニング報酬は6.25BTCから3.125 BTCへと半分になる。マイナーの収益はトランザクション手数料とブロック報酬から得ている。

市場調査・コンサルティングのPrecedence Researchによれば、2022年の時点で仮想通貨マイニング市場は19.2億ドルとなり、2032年までには約70億ドルに成長する見込みだ。年平均成長率(CAGR)は2023年から2032年までの間で12.90%と予測されている。

ナスダック上場の米大手仮想通貨マイニング企業マラソン・デジタル・ホールディングスは、23年8月に生産したビットコインは1,072 BTCと発表。昨年8月と比較すると、5倍以上増加している。

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