ビットコインやや反発、MakerDAO(MKR)前月比50.0%高の背景は
マクロ経済と金融市場
28日の米NY株式市場では、続落していたダウ平均株価は前日比116ドル(0.35%)高と反発。ナスダック指数は108ポイント(0.83%)高で取引を終えた。
今年前半の株高をけん引した半導体指数などは上昇を一服しており、米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締め長期化懸念から米長期金利が上昇し、投資家心理が悪化。米国株は調整局面入りを示唆するとの見方もある。
仮想通貨市況
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン価格は前日比2.00%高の1BTC=26,926ドルに。時価総額2位のイーサリアム(ETH)も2.62%高と反発した。
最大手資産運用会社ブラックロック、ビットワイズ、ヴァルキリーの現物ビットコインETF申請に対する決定が、SECによって再延期された。
新会計年度をめぐる予算審議交渉の難航を受け、米政府機関閉鎖などの混乱が予想される中、最終判断期日を前倒して延期を決めた形となった。
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格付け大手のムーディーズは「米国債の信用にとってネガティブ」と警鐘を鳴らしており、もし国債格下げとなれば、金融市場がリスクオフに傾くおそれもある。
アルト相場
分散型金融(DeFi)レンディングプラットフォームMakerDAOのネイティブトークンMKR価格が、前週比23.0%高、前月比50.0%高と続伸。年初来高値を更新した。
暗号資産(仮想通貨)の弱気相場に逆行しており、オンチェーンデータで観測されるクジラ(大口投資家)の買いも後押しして、16か月ぶりの高値に到達したものと見られる。
Thor Hartvigsen(@ThorHartvigsen)氏によれば、MakerDAO(MKR)はDeFi(分散型金融)で最大の収益を生み出すプロトコルであり、現在の年間収益は1億9,300万ドル(約300億円)に及ぶ。
その内、約63%は国債などRWA(現実資産)担保によるものであり、そこから年率利回り約5%が得られているという。
MakerDAOが発行するステーブルコインDAIは従来のステーブルコインとは異なり、Maker Vault内で生成される手数料や米国債など現実世界の資産などから利回りを引き出している。MKR価格上昇の背景として、担保増および米国の高金利のほか、ステーブルコインDAIの供給増が挙げられ、その収益は主にDAIの時価総額に依存することになるとの見立てを示した。
MakerDAOは、ステーブルコイン「ダイ(DAI)」の発行・管理やレンディングプラットフォームを提供するプロジェクト。MKRはプラットフォーム上でガバナンストークンとして使用でき、投票を通じてプロトコルの基本運用方針が管理される。
MakerDAOの共同創設者であるルーン・クリステンセン氏は今年8月、エコシステム成長のための取り組みの一環として、コミュニティ投票で承認された「金利引き上げ案」可決を受け、Dai Savings Rate(DSR)が最大8%の利回りに達したと述べた。
Dai Savings RateはDai(DAI)を保有するユーザーに対して提供される金利で、利用者数の少なさが高レートをもたらしていた。
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現在は利用者増加で利回り5%ほどに落ち着いたものの、DSRへの入金額は8月6日時点の3億3,900万DAIから、16億5,200万DAIと5倍以上に急増している。
DSRは米国外の顧客のみが利用でき、VPN(仮想プライベートネットワーク)利用のユーザーは「Spark Protocol」にアクセスできない。
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MakerDAO(MKR)は、日本では国内大手暗号資産(仮想通貨)取引所のbitbankが22年1月に、GMOコインが22年2月に上場している。
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