はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

MakerDAO創設者が語る、DAOの成長とガバナンス設計|WebXレポート&インタビュー

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

DAOの成長とガバナンス設計

国際カンファレンス「WebX」で、「MakerDAO」の共同創設者であるルーン・クリステンセン氏が26日、自らのガバナンスシステムの再構築計画、通称「エンドゲーム・プラン」について詳細を明らかにした。「MakerDAO」は分散型金融(DeFi)の大手プロジェクト「Makerプロトコル」の管理を担当している。

ルーン氏は2015年から、価格が安定した仮想通貨の基盤構築と、MakerDAOのビジョンと組織的枠組みの構築に尽力してきた。2017年12月18日には、ステーブルコインDaiを発行するMakerプロトコルがイーサリアム上でローンチ。その成果として現在のDaiの時価総額は約47億ドル(約6,500億円)に達しており、ステーブルコインとしては3位の規模を誇る。

Daiとは

1単位あたり1ドルの価値を維持するように設計された、仮想通貨担保型のアルゴリズムステーブルコイン。

MakerDAOは、ガバナンストークン(MKR)の投票を通じてプロトコルの運用方針が管理される。分散型自律組織(DAO)として先駆的な活動を進めており、近年では、実物資産に基づいたDaiの発行や、Dai準備金の約60%を占めるステーブルコインUSDCを米国債などに投資する計画を推進している。

関連:MakerDAO、725億円を米国債等に投資

ルーン氏は、MakerDAOが現在取り組んでいる「エンドゲーム・プラン」を通じたガバナンスシステムの改革案を示し、「DeFiとDAOにおける最高のトークンポテンシャルを実現する試み」と強調した。

出典:WebX

このプランは、MKRのリブランド(単位切り下げ)、新トークン(サブDAO)ファーミング、投票報酬(ゲーム化)、AIツールという4つの重要な要素で構成される。MKRのリブランド、それに派生する新トークンファーミングは、大規模な事業体を分割し、各ユニットがMakerDAOから資金を調達して機動的に収益化を進める動き。一方、投票報酬とAIツールは、ガバナンス参加のインセンティブを高める施策となっている。

「エンドゲーム・プラン」は、MakerDAOの創設者が主導する大幅な改革案、及びビジョンであり、22年に公表された当時はコミュニティの中で反対の声も多く見られた。しかし、23年春、実現に向けて組織構成や枠組みがMKRホルダーの投票で可決されている。

関連:メイカーダオ、「Endgame Plan」に向けた組織編制の提案が可決

クリステンセン・ルーン氏インタビュー

「MakerDAO」の共同創設者であるルーン・クリステンセン氏が、Coinpostとのインタビューで、組織の「エンドゲームプラン」について大まかなスケジュール感を共有した。

ルーン氏によれば、プランの第一段階は2、3ヶ月後に始まる予定で、その中心は「リブランド」だ。この過程で、MakerDAOのガバナンストークンであるMKRやステーブルコインDaiは、SubDAOに関連する新しいトークンへとアップグレード可能になる。

具体的な交換比率はMKRと新しいガバナンストークンが1対12,000となり、これによってMakerエコシステム内のトークン総量は増加する。新トークンには新たな機能が持たされる一方で、ブランドの一貫性と、MKRの基本機能は維持される。

次に、第2段階としてSubDAOが導入される。これは来年初頭の予定だが、開発に重きを置いているため、実際には変動する可能性がある。SubDAOの導入により、MakerDAOの複雑で高度な機能は全てSubDAOに分割される。各SubDAOはMakerDAOから資金を借り入れてDaiの担保資産を使い、新たな運用収益を得る。リスクと資本の基本要件を満たすことで、担保資産を最も効率的に配分できるようになる。

ルーン氏によれば、各SubDAOがどのように機能し、何を行うのかはまだ具体的に決まっていない。それは各コミュニティが完全に自己決定することだ。ルーン氏は、各地域が自身のSubDAOを設立することを期待しており、特に規制の安定性から韓国と日本市場に注目していると明らかにした。

Daiの担保資産の運用戦略については、実物資産でもNFTでも適用可能だ。MakerDAOには、運用戦略の安全性レベル、評価指標、各種ルールなどを記述したガバナンス要件としての「Atlas」が存在する。

これを含めた全開発リソースを日本語、韓国語、中国語にローカライズし、コミュニティの成長を推進する予定だ。さらにルーン氏は、将来的に日本等で開発者を雇用するという展望を明らかにした。

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
06/14 土曜日
13:55
相次ぐ小規模企業による大規模な仮想通貨投資発表、VanEck専門家は株価操作の可能性を指摘
時価総額数億ドルの小規模上場企業が数百億ドル規模の仮想通貨アルトコイン購入計画を発表する事例が相次いでいる。VanEck専門家は一部を株価操作目的と分析し、投資家に注意を促している。
13:10
ビットコイン保有企業の増加でシステミックリスク上昇=コインベース分析
米コインベースが最新レポートで、現在228社が仮想通貨ビットコインを82万枚保有していると指摘し、こうした財務戦略でシステミックリスクも上昇していると説明した。
11:38
イーサリアム専門家らがETH価格を「大幅に過小評価」と主張、長期目標8万ドルも
イーサリアム技術者らが新報告書でETHを「デジタル石油」と位置付け、ビットコインとの比較で機関投資家向けに大幅な過小評価を訴える。ステーキング収益や供給上限機能により長期的な価値上昇を予測。
10:44
ブラジル下院委員会、ビットコイン戦略準備金法案を可決 
ブラジル下院委員会が仮想通貨ビットコイン戦略準備金法案を可決。外貨準備の最大5%をビットコインで保有する「RESBiT」創設を目指し、中央銀行デジタル通貨の担保活用も検討。
09:50
「ドン・キホーテ」運営のPPIH、オンチェーンでデジタル証券発行へ 若年層支援の仕組み
ドン・キホーテ運営のPPIHは、セキュリタイズジャパンと提携し若年層支援の仕組みを持つデジタル社債を発行する。majicaポイントなどで利息支払いし、若者に特典を付与する。
09:30
ソラナ現物ETF承認へ前進か、複数企業がSEC要請でS-1書類を修正提出
米SEC要請を受けフランクリン・テンプルトンやフィデリティなど複数企業がソラナ現物ETFのS-1書類を修正提出。ステーキング機能組み込みも検討され承認に向け前進。
08:20
ホスキンソン氏、エイダをビットコインやステーブルに替えることを提案
カルダノ創設者チャールズ・ホスキンソン氏は、1億ドル相当の仮想通貨エイダをビットコインや複数のステーブルコインに替えることを提案。背景や目的を説明し、売り圧を懸念する声にも応えている。
07:30
現在最注目の仮想通貨関連法案、来週火曜日に米上院で最終採決見込み
米上院が来週火曜日にステーブルコイン規制法案「GENIUS法」の最終採決を実施。米ドル裏付け義務化や年次監査要件など包括的な規制枠組みを設定する重要法案の行方に注目。
07:05
今年最大規模の流入、ビットコイン長期保有ウォレットに3万超BTC=アナリスト分析
月11日にビットコイン蓄積ウォレットへ3万BTC以上が流入。2025年最大規模で、史上最高値圏でも長期投資家の積極的な買い増しが継続している状況が明らかに。
06:30
ウォルマート・アマゾンが独自ステーブルコイン検討、競争激化でビザとマスターカード株価急落
米大手小売企業がステーブルコイン発行を検討中。年間数十億ドルの決済手数料削減が狙い。競争激化でビザ・マスターカード株価下落、大手銀行も共同発行で対抗策を模索している。
05:55
米ナスダック上場企業、1000億円規模のビットコイン購入を計画 SPAC調達で
著名仮想通貨投資家ポンプリアーノ氏がProCapBTCのCEO就任を協議中。SPAC合併により750億ドルを調達し、全額ビットコイン購入に充当する計画が明らかになった。
05:35
米SharpLink Gaming、670億円でETH大量購入 イーサリアム財団に次ぐ世界2位の保有企業に
米上場企業SharpLink GamingがETH176,270枚を670億円で購入し、イーサリアム財団に次ぐ世界第2位の保有企業となった。Consensys主導の私募増資で最大ETH保有戦略を推進。
06/13 金曜日
21:13
​​セガとDJTが満を持してリリースする『魁 三国志大戦』 BCGの新潮流を切り拓けるか?
セガの「三国志大戦」がWeb3テクノロジーを取り入れた新作『魁 三国志大戦』として生まれ変わった。CoinPostでは、開発を担うdouble jump.tokyoの創業者である上野 広伸氏にインタビューを実施。開発背景や作品の魅力を語ってもらった。
18:35
MEXC関連企業、ソラナ開発者育成で新プログラム アジア太平洋地域で展開
MEXC IgniteXとSuperteamが戦略的提携を発表。Solana Summit APACで「IgniteX Solana Talent Lab」を始動し、APAC地域のブロックチェーン人材育成を推進。
17:00
超富裕層の投資戦略が大転換、株式から仮想通貨などへシフト=BNYレポート
米大手金融機関BNY Mellonが公開した最新のファミリーオフィスの投資動向調査レポートで、超富裕層による投資戦略の大きな転換が明らかになった。上場株式への投資から、プライベート市場や仮想通貨を含むオルタナティブ投資へと積極的なシフトが進んでいる。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧