英国規制当局、複数の仮想通貨取引所を警告リストに登録
金融製品プロモーション制度による警告
英国の金融行動監視機構(FCA)は8日、FCAの認可なしで事業を行っている企業についての警告リストに、HTXやKuCoinなど複数の暗号資産(仮想通貨)取引所を新たに登録した。
これは、英国の金融製品プロモーション制度の規制対象に、仮想通貨企業も含まれるようになったことに対応している。
FCAは警告リストの説明で、「認可された企業とのみ取引してほしい」と述べており、無許可の会社と取引している場合、預金保険などを提供する金融サービス補償制度(FSCS)その他の対象にはならないと注意を促している。
FCAは7月、英国の消費者に仮想通貨を宣伝する企業は、8日までに金融製品プロモーションに関する既存のルールを遵守する必要があると発表していた。
この制度は、金融サービスを提供する企業がその製品の宣伝を行う際に要件を課すものだ。例えば、FCAに事業登録することや、マネロン・テロ資金調達・資金移動規制(MLR)の遵守、プロモーションの公正性、リスク開示、クーリングオフ制度などを義務付けている。
FCAによると、このガイドラインに従わない企業は、英国の2000年金融サービス・市場法に違反する可能性が高い。刑事罰として最高2年の懲役刑や罰金が科せられることもある格好だ。
コインベースとOKXの対応
大手仮想通貨取引所コインベースとOKXの広報担当者は、仮想通貨取引・カストディ・ブローカー事業などでFCAから認可を得ている英国企業Archaxと協力して、プロモーションの承認を得るために動いているところだと話した。
Archaxを通して、仮想通貨製品のプロモーションを行う形だ。
Archaxのサイモン・バーンビ最高マーケティング責任者は、仮想通貨企業の規制対応について、最初の前払い料金と、継続的なサービス料金を請求すると述べている。
実際の料金水準は、カバーする必要があるクライアントの要件や活動に左右されるとも続けた。バーンビー氏は、ある企業との提携を決定するための評価基準を用意しているとして、次のように説明している。
当社は、メディアチェック、完全なデューデリジェンス、AML/KYC(マネロン防止・身元確認)チェックを含むプロセスを整備している。
バイナンスの対応
仮想通貨取引所バイナンスは6日に、金融製品プロモーション制度への対応で、英国ユーザー専用の新しいドメインを立ち上げたと発表した。
バイナンスはその上で、仮想通貨の広告資料を承認する権限を与えられた英国の金融企業「Rebuildingsociety.com」と提携している。
また、バイナンスは以降、教育コンテンツや仮想通貨ギフトカード、ユーザーの紹介報酬制度などプロモーションの要素もあるようなサービスについては、英国の個人投資家に提供しない。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します