Ondo Finance、RWAトークン「USDY」をイーサリアムL2「Mantle」にローンチ

RWAトークンで利回り提供

金融サービス企業Ondo Financeは8日、暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のL2「Mantle Network」に、利回りを提供するトークン「USDY」をネイティブでローンチしたことを発表した。

USDYは米短期国債を裏付け資産に持つRWA型のトークンで、現在保有者は5.1%の年間利回りを得ることができるという。本記事執筆時点では、米2年債の利回りが4.9%超である。

RWAとは

「Real World Asset(現実資産)」の略。ブロックチェーン上でトークン化されるRWAには不動産、アート作品、トレーディングカード等の実物資産、株や債権等の有価証券などが含まれる。

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Ondo FinanceがUSDYを発表したのは今年8月。USDYの価格は米ドルに紐づけられるが、一般的なステーブルコインとは違い、利回りを生んだり、Ondo Financeが倒産しても償還したりできるなどの特徴があると説明した。なお、USDYは規制の関係で米国では利用できない。

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公式XにOndo Financeが投稿している「The Block」の記事によると、USDYはイーサリアムの規格「ERC-20」で発行されており、アップグレード可能なトークン。利回りを生むだけでなく、Mantle Network上のDeFi(分散型金融)プラットフォームで利用することもできる。

Ondo Financeは今後数週間で、USDYをラップするリベース型のトークン「mUSD」をローンチする計画もあるという。

今回のローンチに合わせ、Mantle Networkの幹部は以下のようにコメントした。

RWAは、Mantle Networkの広範なDeFiエコシステムに持続可能な金利を提供するために重要な役割を果たすことが期待されている。

これから流動性が高くてアクセスしやすいエコシステムを構築し、ユーザーにはUSDYとmUSDをステーブルコインのように使ってもらって、なおかつ仮想通貨ウォレットからRWAである米国債の金利を得て欲しい。

RWAの需要の高まり

米資産運用最大手ブラックロックが「トークン化は市場における次の革命」と評価するなど、ブロックチェーン上におけるRWAのトークン化には最近大きな注目が集まっている。トークン化資産の市場は2030年までに約2,400兆円(16兆ドル)規模になるという試算もある。

ブロックチェーン業界を越えて従来の金融大手も関心を寄せており、例えばJPモルガンは技術の活用に積極的だ。

先月には同社がブロックチェーン基盤の担保決済システムの稼働を開始したことが明らかになっている。この時はブラックロックのマネー・マーケット・ファンド(MMF)の1つをデジタルトークン化し、デリバティブのOTC取引の担保として、英金融大手バークレイズに送信した。

今後は、JPモルガンの顧客が、株や債券など他の資産も担保に使えるように拡充していくという。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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