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ブラジル、アルゴリズム型ステーブルコインを禁止する法案審議 ENAなどに影響

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

 

ステーブルコイン規制法案を審議中

ブラジルは、アルゴリズム型ステーブルコインの発行と取引を禁止する法案「PL 4308/2024」の審議を進めている。科学技術イノベーション委員会が可決したところであり、今後、他二つの委員会で審議後、下院と上院に送られることになる。

アルゴリズム型のステーブルコインとは、米ドルなどの裏付け資産を担保として持たず、独自のプログラム(アルゴリズム)により供給量を自動調整することで、価格(米ドル建ての場合は1ドル)を安定させる暗号資産(仮想通貨)のことだ。

代表的なものは、たとえばイーサリアム(ETH)基盤のDeFiプロトコル「Ethena(エセナ)」が発行するUSDeがある。

これらは、「合成ドル」とも呼ばれているトークンだ。イーサリアムの流動性ステーキング・トークンを裏付け資産として使用し、デリバティブ取引所で等価のショート(空売り)ETH無期限先物ポジションと組み合わせることで価値を維持し、利回りを提供する設計だ。

関連:USDEとは?高利回りステーブルコインの特徴・始め方・リスクを徹底解説【初心者向け】

今回の法案は、仮想通貨に関する法的枠組みを改正し、全額の準備金担保を義務付ける。企業は発行するデジタル通貨1単位ごとに、同等の価値を実際の通貨または国債で保有する必要がある。

アルゴリズム型ステーブルコインについては、2022年に、ステーブルコインUSTがディペッグ(1ドルの価値から下落)したことをきっかけにして、仮想通貨市場に債務不履行の連鎖を巻き起こし多くの投資家が損失を被った。

特にこの事件以降、規制当局はアルゴリズム型ステーブルコインを注視するようになった経緯がある。USTを発行していたテラフォーム・ラボのド・クォン創業者は昨年末、詐欺行為により米国の地裁で懲役15年の判決を受けた。

なお、日本では2023年に改正資金決済法によりステーブルコインが電子決済手段として法的に認められたが、アルゴリズム型のステーブルコインは除外されている。

関連:6月1日施行の改正資金決済法で国内ステーブルコイン発行可能に、多国籍企業にメリットも

海外発行のステーブルコインなどについても規定

「PL 4308/2024」法案は、アルゴリズム型ステーブルコイン禁止の他、顧客の資金と発行会社の資金を分別管理することも法的に保証。これにより、発行企業倒産などの場合でも、準備金として使用される資金が発行会社の負債の返済のために差し押さえられることはない。

また、海外で発行されたステーブルコインについては、ブラジル国内で営業許可を得た仮想通貨サービスプロバイダーのみが取引できることを定めている。

こうしたプロバイダーは、外国のステーブルコイン発行者が、ブラジルの法律と同等の監督規則を遵守しているかどうかを確認しなければならない。同等の規則がない場合は、国内の証券会社がリスク評価の責任を負う必要がある。

サークル社のUSDCやテザー社のUSDTなどもこの規定の対象となるとみられる。

さらに、詐欺罪についても盛り込んだ。必要な裏付け資産なしにステーブルコインを流通させ、不正な利益を得る行為を罰するために刑法を改正するという内容である。

こうした行為は、仮想通貨に関する詐欺罪と同等とみなされ、4年から8年の懲役と罰金が科せられるとしている。

ステーブルコインとは

価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、アルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

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