米SECがコインベースの規制制定請願を拒否 コインベースは上訴へ

仮想通貨の規則制定を要請

米証券取引委員会(SEC)は15日、暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースが提出していた規則制定請願を拒否した。

SECのゲンスラー委員長はこの判断を支持する理由として「既存の法律や規制が仮想通貨証券市場に適用されていること」、「SECはルール作りも行って仮想通貨証券市場に対応していること」、「ルール作りの優先順位をSECが決められるという裁量を維持すること」の3つを挙げた。

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コインベースは2022年7月、SECに対し「実行可能な規制の枠組みの作成」を求めて請願書を提出。その後、SECからの回答が得られなかったため提訴もしていたが、裁判所の命令が出されてもSECは回答時期について独自の方針を貫いてた。

そして、SECは回答を延期している間、2023年6月にコインベースを証券法違反で提訴している。今回の回答は、この時の請願書に対するものだ。

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ゲンスラー氏は今回もハウィーテストを引き合いに出し、仮想通貨業界も証券法に従うべきだなどと主張している。

ハウィーテストとは

米国で行われる特定の取引が、投資契約による有価証券取引に該当するかどうかを判定するテスト。SECのW. J. ハウィー社に対する訴訟事件(1946年)に由来する。

法的拘束力はないが、SECはハウィーテストをもとに仮想通貨の銘柄やサービスに対して訴訟を起こしている。具体的には「資金を集めているか」「共同事業であるか」「収益を期待しているか」「収益が他者の努力によるか」を判定するテスト。なお、仮想通貨という新しい資産に、ハウィーテストは適さないという声もある。

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SECメンバーの反対意見

このSECの決断には、同じSECメンバーのマーク・ウエダ委員とヘスター・ピアース委員(クリプト・ママ)が今回も反対を表明した。

両氏は、ルール作りの時期や優先順位についてSECに広い裁量があることは認識しているが、公開討論を行ったり、SECの考えをリリースしたり、コメントを求めたりして、市場参加者などの関係者から意見を聞くべきだと指摘している。

そして、こういった取り組みを行うことで、SECはガイダンスを発行したり、必要に応じてルールを作ったりできるようになると主張した。

コインベースの反応

今回のSECの決断を受けて、コインベースのポール・グレワル最高法務責任者は上訴したことを公表した。

グレワル氏は、SECの決断は「恣意的で衝動的である」と非難。裁判所に対し、SECにルール作りを指示するよう求めるという。

同氏は他にも「仮想通貨業界を公正にみている人の中で、すでに法律が明確で、規制作りについて何もすることはないと考えている人はいない」とも主張した。

また、ウエダ氏とピアース氏が反対を表明したことと、対話を要求したことに感謝の意を示し、消費者や米国のイノベーションに利する法律やルールを作るために、我々は裁判ではなく協力をすべきだと述べている。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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