「自社株売却した利益の一部でビットコイン買い増しへ」米マイクロストラテジーのセイラー会長
ビットコイン買い増しへ
暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)を大量保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー会長は、同社の株式を合計31万5,000株(300億円相当)売却する。
同氏は、マイクロストラテジーでのストックオプションの権利を行使することで、今月2日から4月まで約4カ月間かけて株式を売却する計画。2023年3Q(7月から9月)の決算報告の際、この売却によって得られる利益の一部で、個人としてビットコインを買い増しすると話していた。
ストックオプションとは
企業の従業員が、事前に決めた価格で自社株を取得できる権利のこと。株価が上昇したタイミングでお金を払って権利を行使して自社株を購入し、その株式を売却すれば利益を得ることができる。
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米証券取引委員会(SEC)のデータによると31万5,000株を売却する計画だが、2023年3Qの書類(Form10-Q)では最大40万株を最長で4月26日までに売却すると示されていた。また、各取引日に1日5,000株を目安に売却するとも説明している。
ビットコインを大量保有する同社の株価は2023年、ビットコイン価格と同じように上昇。「Trading View」によれば、同社の株価は前年比333%超上がった。また、ビットコイン価格は前年比156%超上昇している。
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ETFとの比較
マイクロストラテジーは先月27日、ビットコインを買い増ししたことを発表。本記事執筆時点で、企業の資産として18万9,150BTCを保有している。
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ビットコインは今年に入り、米国における現物ETF(上場投資信託)の審査に一層注目が集まっている。今月に複数の現物ETFが承認されるとの見方が多い。
これまで同社の株式はビットコインETFの代替商品ともみられており、SECが現物ETFを承認すれば、マイクロストラテジーの株価は投資的な魅力が減退するとの声も上がった。
この点についてセイラー氏は先月、ビットコインETFは同社の株式の魅力を減らす脅威にはならないと主張。「ビットコインETFはレバレッジがなく手数料がかかる。一方、我々の株式はレバレッジを提供するが、手数料は取らない」などと説明している。
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