米SECゲンスラー委員長、仮想通貨投資に注意喚起 BTC現物ETF承認に期待高まる中
仮想通貨投資で注意喚起
米証券取引委員会(SEC)のゲーリー・ゲンスラー委員長は8日、暗号資産(仮想通貨)投資についてX(旧ツイッター)で注意喚起した。
投稿内容は過去の発言と同様だが、今週はSECが初めてビットコイン(BTC)の現物ETF(上場投資信託)を承認するとの見方が多いため、今回の注意喚起は多くの注目を集めている。
ETFとは
「Exchange Traded Fund」の略。金融商品取引所に上場している投資信託を指し、仮想通貨に限らず幅広い金融商品が取引されている。
ビットコインの現物のETFは、実際にビットコインを所有して運用されるため、投資家からの注目度が高い。
▶️仮想通貨用語集
ゲンスラー氏はまず「仮想通貨の投資やサービスは、証券法などの法律を遵守していない可能性がある」と主張。また「仮想通貨証券の投資家は、重要な情報や保護が提供されない可能性があることを理解すべきである」と述べている。
また「仮想通貨投資は非常にリスクが高く、価格が大きく変動することが多い」と指摘。そして「多くの大きなプラットフォームや仮想通貨が、破産したり価値がなくなったりしたリスクもある」とした。
他にも「仮想通貨人気の高まりを利用して個人投資家を騙す詐欺師が現在でも存在している」と主張。「仮想通貨投資では今も詐欺や盗みが蔓延しており、プロジェクトが投資家のお金を持って姿を消すこともある」と注意を促している。
なお、ゲンスラー氏の投稿内容は以上で、ビットコイン現物ETFに関することには言及していない。同氏は先月もXにビデオメッセージを投稿し、仮想通貨企業のコンプライアンス違反に警告を発していた。
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ゲンスラー氏の真意は
SECはこれまで、投資家保護などの観点からビットコインの現物ETFは全て非承認にしてきた。一方、現在の申請企業はSECの懸念を軽減する仕組みを導入していたり、SECが先物ETFだけ承認していることを裁判所が恣意的であると昨年に判断したりしたことなどから、今回は承認されるとの期待が高まっている。
また、公正を期すために、SECが複数のETFを同時に承認する可能性が高い。そのため、アークのETFが今月10日に認否の最終判断期限を迎えることから、現物ETFは承認間近であると期待されている。
ゲンスラー氏の見解をもとに再度非承認されるとの見方もあるが、ブルームバーグのシニアETFアナリストのエリック・バルチュナス氏は、現在も強気な見方を継続。「今回のゲンスラー委員長の注意喚起は、SECがビットコイン現物ETFを承認しようとしているサインか」というXユーザーからの質問に「今の時点でサインは必要ないが、答えはイエスだ」と回答した。
なお、SECは権限が広く、再度判断を延期しようとする可能性があるとも伝えられている。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します