「ビットコイン現物ETF承認による事実売りの影響は減少」=K33最新レポート
ビットコイン現物ETFの影響分析
暗号資産(仮想通貨)分析企業K33リサーチは9日、米国で審査が続いているビットコイン(BTC)現物ETF(上場投資信託)の市場への影響についてレポートを公開した。
多くの有識者らと同様、K33リサーチのアナリストも10日までにビットコイン現物ETFが米国で承認されると予測。そして、この承認がビットコインの事実売りのイベントになる可能性は、前週よりも小さくなっているとの見解を示した。
ETFとは
「Exchange Traded Fund」の略。金融商品取引所に上場している投資信託を指し、仮想通貨に限らず幅広い金融商品が取引されている。
ビットコインの現物のETFは、実際にビットコインを所有して運用されるため、投資家からの注目度が高い。
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同社は2日にもビットコイン現物ETFに関するレポートを公開。その時、承認後に一時的に売り圧が生じる可能性があると指摘しており、ビットコイン現物ETF承認によって売りが優勢となる確率は75%としていた。そして、反対に売り圧を相殺するほどの資産流入が起こって価格が上昇する可能性は20%と予測している。
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一方、今回のレポートでは「今月3日のロスカット(強制清算)によって市場の状態が大きく改善された」と指摘。これにより、ロング(買い注文)の清算が市場に与える影響は小さくなったと主張した。
3日は仮想通貨サービス企業Matrixportが「米証券取引委員会(SEC)は今月、全てのビットコイン現物ETFを非承認するだろう」との見解を示したことなどの影響で、ビットコイン価格が急落した。
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K33リサーチは今回、ビットコインの永久先物市場やシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の状況を分析し、「現在の市場は、ETF承認の発表による利確に対応できるほど強固になっている」との見方を示している。
一方で、ビットコイン現物ETF承認の最終決定で価格変動が大きくなるとの見方は維持。来週にかけて出来高が増え、リスク調整は急速に進むと同社のアナリストは見ており、「2024年に特に注意を払う1週間があるとすれば、この週だろう」と指摘した。
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SECが間もなくビットコイン現物ETFを承認するとの見方に加え、公正を期すために複数企業のETFを同時に承認するだろうとの声も多い。ビットコイン現物ETFの各申請企業は、手数料で差別化しようと試みている模様だ。
今回のレポートでK33リサーチは、手数料にも言及。ETFの手数料が低いことにはメリットが2つあるとした。
そして「1つは最も重要なことで、投資家が低い手数料で取引できるようになること。もう1つは、ETFの発行企業が手数料をまかなうためのビットコインの売り圧が弱くなることだ」と述べている。
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