ポリゴン開発企業Polygon Labs、従業員を19%削減 チームの規模を適正化
運営の効率化へ
暗号資産(仮想通貨)ポリゴン(MATIC)の開発企業「Polygon Labs」のMarc Boiron CEOは1日、約19%の人員削減を行うと発表した。
今回減らす人数は60名。前回の強気相場でチームの人数を増やしたことで、効率的にプロジェクトを進めることが難しくなったと述べている。そして、今回の人員削減は経済的な理由ではなく、チームを適正な人数にするためだと説明した。
Boiron氏は、自社のミッションは「インターネットを変革して、世界の誰もがその価値に平等にアクセスできるようにすること」だと説明。そして、このようなインフラを構築するのは容易なことではないと述べた。
このミッションを実現するためには、野心を持って機敏に動き、密になって協力する必要があるとBoiron氏は指摘。そして、現在のチームの人数では、このように業務を進めることができないため、人員削減という苦渋の決断をしたと説明している。
また、これから全従業員の総報酬を15%増加させ、地域別の給与モデルを廃止するとも述べた。地域に関係なく各従業員を評価し、今後は世界の才能ある人材を獲得できるようにしていく方針を示している。
ポリゴンのプロジェクトは現在、「Polygon 2.0」という大規模な開発計画を進めている。この計画には、仮想通貨MATICをPOLに置き換えることも含まれている。
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また、今回は従業員の削減が発表されたが、最近は多くのユーザーを獲得しており、イーサリアム(ETH)に迫る勢いがあることが先月に明らかになった。
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ポリゴンとは
イーサリアムのスケーラビリティ問題に取り組むプロジェクト。「Polygon PoS」や「Polygon zkEVM」など複数のソリューションを開発し、大手企業らに採用される事例が続いている。
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昨年も人員削減
Polygon Labsは昨年2月にも、事業部門統合の一環として従業員の20%、約100人を削減したことを発表。この時も財務には問題はないと述べていた。
その上で「イーサリアムのスケーリングによるWeb3の普及に貢献するため、今後数年間のための戦略を具体的に設定したところだ」と説明している。
この時期は「仮想通貨の冬」と呼ばれ相場が低迷しており、業界で解雇された人数が急増していた。また、相場低迷の引き金となったテラ騒動やFTX破綻の際にも人員削減が多く行われていたことが明らかになっている。
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