ビットコイン価格推移で見えてきた「AM9:00」の注目度、アルトコインにプラスの動きも|仮想通貨市況

仮想通貨市場

本日のマーケットレポートで注目したいのは、以下の3点だ。

1.金融市場に連動するビットコイン価格:AM9時前後には要注意

2.Coinbaseの新規上場とアルトコインの展望

3.パンプを告知した海外取引所の結末

仮想通貨市場

仮想通貨市場は12日、価格が急落した11日から一夜明け一時的に下げ止まりしたものの、その後上値を切り下げる形で価格が推移。

状況に変化が見られたのは昨日の下落タイミングと同じく、「日本時間AM9:00前後」に反発して上昇に転じ、勢いこそ強くはないものの18時時点までじわじわと値を戻している。

本日のマーケットレポートで注目したいのは、以下の3点だ

1.金融市場に連動するビットコイン価格:AM9時前後には要注意

2.Coinbaseの新規上場とアルトコインの展望

3.パンプを告知した海外取引所の結末

AM9時前後には要注意

仮想通貨取引を行うにあたって、「午前9:00」の節目は、意識しておく必要がある。

1:日足確定

主な理由は2つ。

1つ目は、仮想通貨市場のチャート分析をするにあたり、ローソク足の日足が確定するのが、朝9時という点。

『前場(9:00-11:30)/後場(12:30-15:00)』しか場中に取引できない株式市場(PTSは例外)と異なり、仮想通貨市場は24時間・365日開いているため、常に相場が変動しており、朝9:00に日足の形状が決まることになる。

ローソク足は、投資家心理を反映することで、投資判断を行うために欠かせない要素となっており、特に5分足や1時間足などの短期足よりも日足の重要性はより高く、相場のトレンドを見極めるにあたり、今後の方向性を左右する一要因と言っても過言ではない。

したがって、「日足確定直前の値動きの価値は、他の時間帯よりも重い」と言え、ビットコイン価格が前日比マイナスになるかプラスになるかの瀬戸際などは陰線になるか陽線になるかを決定付ける事になるため、ロンガー(買い方)とショーター(売り方)の激しい綱引きが行われることもある。

2:株式市場の寄り付き時間

株式市場の寄り付きは、午前9時〜となる。

仮想通貨だけでなく、株式市場と両方に投資しているトレーダーも少なくないことから、仮に株式市場で大きな損失が発生した場合、仮想通貨を売却して、法定通貨に換える、いわゆる「追い証回避の売り」が生じることも。

もちろんその逆パターンもあり、投資マインドが毀損すれば投資意欲も削がれる上、市場間で移動する余剰資金もなくなるため、そういう意味では仮想通貨市場と株式市場には、「一定の”関連性”が認められる」と言えるだろう。

このように、世界中の金融マーケットは間接的に繋がっており、たとえ仮想通貨の専属トレーダーであっても、日本の株式市場に大きな影響を及ぼす、ダウやナスダックなど米国株式市場の値動き(金利や米中貿易摩擦などの海外経済動向)に注意を払っておくに越したことはない。

奇しくも、ビットコイン価格が急落した10月11日(木)は、日本の株式市場が開く前から米国市場や日経先物が暴落(VIX指数は急上昇)しており、年に数回あるかどうかの大荒れ模様を示唆していた。結果的に日経平均株価は、最大1,000円幅(終値900円)急落。今年3番目となる下げ幅を記録するなど、それまでの強気ムードから一転、投資家心理が急悪化する要因となった。

このことで、リスクオフ相場におけるポジション調整の動きが連鎖的に発生。同様のタイミングでBTC価格が急落したことで、個人投資家による「パニック売り」を誘発した可能性が考えられる。

午前9時-10時の相場分析

翻って、この日のBTC価格は、午前9:00頃より強めに下落、これまで何度か反発していたサポートラインを割り込もうとしていた。

同時刻の株式市場では、売り注文が殺到したことで大幅ギャップダウンして寄り付かず(売りと買いが約定せず)、投資家の損失が大方確定する10:00過ぎには、仮想通貨市場も堰を切ったように暴落開始となった。

TradingViewの機能を使用した下図では、青いラインが日経平均株価、赤の大陰線がビットコイン価格を重ねて比較・検証したものになるが、大規模な急落が連動していることから、今回に関しては「相関性」が確認できる。

BTC価格は、それ以前の数日間にしばらく横ばいの展開が続いており、今回短いスパンで出来高の急増を伴っていることから、投げが出やすいこのタイミングを狙って、機関や大口による売り仕掛けが行われた可能性も指摘されている。

NY株式の動きは?

11日今年3度目となる下落を記録したNYダウ平均株価は、前日の下落を引き継ぐ形で500ドル以上の値下がりを記録、米国株式市場は連日の大幅安となった。

この影響で長期傾向を見る上で重要な200日移動平均線も3ヶ月ぶりに下回るなど、厳しい状況だ。

米トランプ大統領が、今回の下落の要因として挙げたのはFRBによる金融引き締めだと批判を展開したが、米国の中国輸入2,000億ドル追加関税など、これまでに実施された貿易制限的措置による貿易摩擦の影響で、今後の業績悪化を相場に織り込む動きである見方も出ているようだ。

2月の株安はVIXショックと異なり、今回の特定の要因がわからない点でも慎重な動きは継続しそうだ。

特に今回仮想通貨市場の金融市場の相関性や連動性が明らかになっている以上、米株式の動きも今後仮想通貨市場に置いて重要性を増すことになるだろう。

2.Coinbaseの新規上場とアルトコインの展望

米コインベースがついに新たなアルトコインの新規上場を発表した。

上場された通貨は0x(ZRX)で、新たな上場により、CoinbaseProはBTC・ETH・ETC・BCH・LTCに続く、6種の仮想通貨取引を提供することになる。

上場インパクト(上場による影響)が大きい取引所であることから、価格も下落相場の中最高で31%上昇した。

特に今回の発表で重要なことは、以下の2点である。

1.ビットコインキャッシュ上場時のインサイダー疑惑以降止まっていた上場に動き

2.アルト取り扱い宣言後の上場

米コインベースは、昨年12月にビットコインキャッシュを上場した際にインサイダー疑惑が浮上、内部調査を行うなど対応に終われた経緯がある。

それだけ上場宣言後に価格が上昇する世界で最も注目される取引所であったとも言えるだろう。

法律事務所2カ所による内部調査の結果は、事実はないとの否定の内容となったが、その後上場に慎重な姿勢を保ち、新規上場の発表を長らくしていなかった。

動きがあったのは9月24日、 新規上場ポリシーを刷新し、都度方式」からオンラインの申請および審査方式に切り替えることで、取扱通貨の種類を急速に拡大する意向を示した。

これは、今後仮想通貨の規制に対する世界各国の法律や規制に則った運営を行う旨の言及であったが、米国のコインベースにも新規上場の兆しが見え始めたとの見方も強まるなど、期待感が高まっていた。

このような背景を踏まえると今回の新規上場がどれだけ重要かがわかるだろう。

先日公開されたDiar社の調査レポート では、仮想通貨の下落を受け、昨年末から80%の出来高減少を記録していることが明らかになったっている。

出典:Diar

しかし、米国の規制当局と密接な関係を持つ重要な取引所であることから、今後市場拡大とともに更に業界に置ける重要度を増していく取引所であることからも、新規アルトコインに上場の兆しが目に見える形で動き始めたことは大きな一歩となる。

3.パンプを告知した海外取引所の結果

昨日突然「仕手行為」を告知 したロシアの仮想通貨取引所Yobit、その異常性から話題になったが、その結果を知りたい方もいるだろう。

取引所が告知していた内容では、ランダムに選ばれた1つの仮想通貨に10BTC分の価格パンプを行うとしており、そのパンプ時間までのタイマーが設定されていた。

結果として選ばれたコインは、時価総額1000位を下回るいわゆる草コインで、通貨名は PutinCoin (PUT)、ロシアの首相の名前がつけられたコインにパンプ行為が仕掛けられた。

このような仕手行為は、米SECによってビットコインETF審査の面で問題視されているものであり、かなり厳しい批判を受けてもいい問題行為であることは間違い無いだろう。

仮想通貨(ブロックチェーン)関連株

日経平均株価の反発に伴い、全面安とは一変し、全面高の展開に。

国内3大取引所の凋落(出来高低下)に伴い、XRP(リップル)ホルダーを中心に支持率が急増している仮想通貨取引所「bitbank」関連銘柄のセレス(3696)が7.60%高、「QUOINEX/Liquid」関連銘柄のULSグループ(3798)が6.16%高と、反発が強い。

対照的に、前日急騰したフィスコ(3807)は、売りが先行する形で、材料出尽くしで9.55%の大幅安となった。

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