エルサルバドルの大統領選でブケレが勝利宣言 ビットコイン政策継続へ
ブケレ氏が大統領選に勝利
エルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領は5日、大統領選挙での勝利を宣言した。ブケレ大統領再任により、同国の暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)関連の政策が引き続き進められることになる。
ブケレ氏は、「得票率85%以上、議会議員60人中最低58人を獲得して大統領選挙に勝利した」と述べた。
ブケレ氏は2019年から大統領を務めており、さらに5年間の続投が決まった格好だ。ブケレ氏は特にギャングを徹底的に取り締まって治安を改善したことで支持を集めてきた。2021年にビットコイン法定通貨化を実現したことでも知られている、
エルサルバドルのフェリックス・ウジョア副大統領は先月、ブケレ氏続投の場合、ビットコイン法定通貨政策を維持すると話していたところだ。
国際通貨基金(IMF)は当初よりこの政策に反対しているが、ブケレ政権は、ビットコイン買い増し、ビットコイン債やビットコイン・マイニングプールなどの計画を進めてきており、信念の強さを示している。
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独裁につながると懸念の声も
ブケレ大統領は2023年12月頃より、大統領選に備えるために休暇を取得していた。権限や公的機能の行使を一時停止していた形だ。ブケレ氏に批判的な人々は、こうした動きは違憲であるとみなしていた。
ブケレ氏の再任は、エルサルバドルを事実上の一党独裁国家にする可能性があると懸念する意見もある。エルサルバドルでは、大統領の連続任期は禁止されていたが、ブケレ氏在任中の2021年、最高憲法裁判所の判決でこれが認められた。
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ビットコイン投資がプラスに
エルサルバドルは長期保有を念頭にビットコインへの投資も行っている。ブケレ大統領は昨年12月、同国のビットコイン投資がプラスに転じ、約5.3億円の含み益が出ていると報告した。
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エルサルバドルのビットコイン・マイニングプール「Lava Pool」は、地熱エネルギーによって稼働するもので、運営の純利益の23%を政府に提供する契約を結んでいると伝えられている。
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