米検察、FTXのサム前CEOに懲役40年以上を求刑

40年から50年の懲役を請求

米国の検察当局は15日、破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所FTXのサム・バンクマン・フリード前CEOに懲役40年から50年の判決をくだすよう裁判所に求めた。

検察当局は米ニューヨーク南部地区の地方裁判所に書類を提出。FTXによる詐欺は被害や違法行為の範囲がきわめて広いとして、次のように列挙している。

サム被告は、複数年にわたって、様々な国や地域で何万人もの人々や企業を犠牲にした。

顧客資金を盗んだ。投資家に嘘をついた。捏造した文書を貸し手に送った。米国で何百万ドルもの違法献金を行った。 外国の当局に賄賂を贈った。これらの犯罪はそれぞれが長期刑に値する。

違法献金については米国で300人以上の政治家や政治活動団体に1億ドル(約149億円)を超える規模で行っており、中国政府関係者への賄賂総額は1億5,000万ドル(約224億円)と個人による賄賂としては最大規模だと指摘した。

FTXとは

バンクマン・フリード被告が率いていた仮想通貨取引所。2019年の創設後、急速に頭角を表し、業界最大手バイナンスに次ぐ大手取引所へと成長していた。その後に経営破綻し、破産申請を行なっている。

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サム氏は昨年11月、米国地裁で電信詐欺、商品詐欺、証券詐欺など7つの罪状すべてについて有罪判決を受けたところだ。FTXの弁護士は今年2月、取引所の再開計画断念や顧客資金の返済計画について話している。

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不正行為を認めようとしない姿勢を追及

検察はサム氏の行為は、「比類のない貪欲さと傲慢さ」に突き動かされたものであるとしており、同氏が不正行為を認めようとしない姿勢なども強調している。

サム氏側は「決して貪欲に動機づけられたことはない」という陳述を裁判書類に載せているが、実際のところサム氏は顧客や投資家の資金を私的に流用して高級不動産を購入していたとも申し立てた。

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また、世界中で何万人もの被害者が被った損失の合計は100億ドル(約1.5兆円)を超えており、被害者の人生に深刻で重大な影響を及ぼしたとも続けている。

弁護側は量刑緩和訴える

一方、弁護側は検察の量刑勧告に異議を唱えた。サム氏の犯罪は物理的な暴力を伴うものではなく、被害者に賠償できる可能性があるとして、連邦ガイドラインに基づいた寛大な量刑を訴えている。

この事件を担当するルイス・A・カプラン地裁判事は、3月28日に開催予定の公聴会で、どのような量刑を科すかを決定する見込みだ。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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