イーサリアムの分散化促進などを期待 ヴィタリック、開発計画「パージ」を説明
イーサリアムの開発計画
暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は1日、ロードマップの構成要素の1つである「パージ(Purge)」について説明した。
パージで行うことは、主にプロトコルの簡素化とノードの負担軽減。「Purge」という英単語には「取り除く」という意味がある。ブテリン氏はパージによって、イーサリアムのネットワークの分散化が進むことも期待していると述べた。
今回ブテリン氏はまず、前回のアップグレード「Dencun」で注目度が低かったという「EIP-6780」の実装について言及。Dencunでは、EIP-4844の「プロト・ダンクシャーディング(Proto-Danksharding)」の実装が注目を集めていた。
EIPとは
「Ethereum Improvement Proposals」の略で、訳は「イーサリアムの改善提案」。プロトコルの仕様などを番号を振って管理して内容を公開し、コミュニティに情報を提供する役割も果たしている。
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ブテリン氏は、EIP-6780によってプロトコルの複雑性を取り除いて簡素化し、セキュリティを向上させたが、この実装がパージにおいて重要な要素の1つになると説明。パージは今後新たに行われる開発計画ではなく、同時進行で進んでいる。
パージでは他にも複数のEIPを実装してイーサリアムを「スリム」にし、今後求められる追加作業(技術的負債)を減らしていくとした。
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分散化促進を期待
上述したEIP-6780以外にも、ブテリン氏は現在パージで行われていることや、今後必要になる可能性のあることも紹介している。
必要になる可能性のあるアップグレードの1つとして挙げているのは「EIP-4444」の実装。EIP-4444は「ノードは1年以上経過したデータは保存しなくても良い」とする提案だ。
ブテリン氏は、イーサリアムのブロックチェーンは永遠に稼働するが、全てのノードが全データを永遠に保存しなくてはならないのは、永続性を達成するためには負担が大きいと指摘している。
そして、ノードを動かすためのストレージ要件が下がれば、ネットワークに参加したい人を増やすことができると期待。ブテリン氏は、EIP-4444はノードの分散化につながるだろうと述べた。
また、各ノードがデフォルトで少しずつ履歴を保持すれば、イーサリアムのネットワーク全体が、現在と同じぐらいの量のデータを保有することも可能になると説明している。
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