「スイス中銀はビットコインを準備資産に持つべき」2B4CHが提唱

ビットコイン保有で国民投票目指す

スイスの暗号資産(仮想通貨)擁護団体「2B4CH」は、スイス国立銀行(SNB)がビットコインを準備金として持つことを提唱している。地元メディアNZZが20日に報じた。

スイスの中央銀行であるSNBにビットコイン保有を義務付けるための憲法改正について、国民投票の実施を目指している格好だ。

スイスで住民投票を実現するには、18カ月以内にスイス国民10万人の署名を集める必要がある。スイスの人口は約877万人であり、人口の約1.15%が請願書に署名する必要がある形だ。

2B4CHのイブ・ベンナイム創設者兼会長は、現在書類を準備しているところだと述べた。また、スイス中銀がビットコインを保有することは、同国が不確実な世界状況において、政治的中立性と主権を維持するのに役立つと意見している。

隣国ドイツでは、ビットコイン法定通貨化を唱えるジョアナ・コタール議員が2B4CHの提案に反応し、スイスが「賢い選択」をするよう推奨した。

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「スイスの中立性を強化できる」

2B4CHの提案には、スイスの大手仮想通貨ブローカー「ビットコインスイス(Bitcoin Suisse)」も賛同している。同社のルジウス・マイサー社長は次のように見解を表明した。

ビットコインを準備金に含めることで、スイスは欧州中央銀行(ECB)からの独立を示すことになる。そうすることで、スイスの中立性を強化することになるだろう。

マイサー氏は、ビットコインの導入によりスイスが数十億ドルを得る可能性もあるとの意見を持っており、以前スイス国立銀行(SNB)に対して、ドイツ国債の代わりに毎月10億ドル以上をビットコイン購入に当てるようアドバイスしたこともある。

マイサー氏は、ユーロやドルの経済はインフレを利用して多額の負債を削減する傾向があり、それらの通貨に投資した価値も低下してしまうと意見した。長期的にビットコインへの投資の方が堅実だと独自の見方を示している。

ただ、SNBはこれまでのところ、ビットコインは準備金の基準を満たしていないとして、この提案を退けてきた。

マイサー氏は26日のSNBの集まりでもビットコインによる準備資産の導入を唱える予定だ。

2021年に、世界で初めて政府としてビットコインを購入した国としてはエルサルバドルが知られている。「ビットコイン法」で米ドルとともに法定通貨としての地位も認めた。

エルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領は3月、同国のビットコイン保有数が約5,700 BTC(時価590億円相当)まで増えたと明かしている。

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エルサルバドルのビットコイン法とは

米ドルとともにビットコインを法定通貨として認め、全ての決済シーンで利用できることを定めている。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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