日本仮想通貨交換業協会 記者会見内容まとめ|『仮想通貨の本質はマネーゲームではない』奥山泰全会長
- 日本仮想通貨交換業協会が自主規制団体として認定、記者会見内容まとめ
- 金融庁は本日、日本仮想通貨交換業協会を資金決済法第87条に基づく仮想通貨交換業に係る認定資金決済事業者協会、および自主規制団体として認定することを発表した。この発表を受け、JVCEAは記者会見を開催した。
JVCEAが自主規制団体として認定
金融庁は24日、日本仮想通貨交換業協会を資金決済法第87条に基づく仮想通貨交換業に係る認定資金決済事業者協会、および自主規制団体として認定することを発表した。
これを受け日本仮想通貨交換業協会は本日から自主規制業務を含む全業務を正式に開始、また記者会見を開き、認定取得を報告した。
認定に関する報告は金融庁のホームページ上で既に公開されている為、本記事では記者会見の質疑応答部分から最新情報や重要部分を抜粋し掲載する。
日本仮想通貨交換業協会の認定取得記者会見の要点まとめ
日本仮想通貨交換業協会(略称:JVCEA)の会長で、株式会社マネーパートナーズ代表取締役社長の奥山泰全氏が正式に同団体の自主規制団体としての認定発表し、以下のように意気込みを語った。
日本は世界の中でも先進的な法整備をしていると認識している。
また安心への意識も高まっている。様々な状況も想像できるが、利用者保護を第一に業界全体で努めていく。
自主規制団体の意義とは
日本は世界各国に先駆けて、仮想通貨に関する規制の法整備を敷いたが、そのような規制でも至らない部分はあると奥山氏は言及した。
自主規制団体の必要性について、奥山は以下のように述べた。
(仮想通貨業界は)目まぐるしく変わる為、法令でカバーできる範囲は追いつかない。
細部にわたる課題や規制の方向性は業界の団体として進めるのが肝要だ。
前提には資金決済法があるが、倫理観を持って進めることが大事。
認定の重要性とは
また今回の認定が及ぼす影響については以下のように言及した。
本日認定されたことにより、牽制能力機能を存分に発揮できるようになり、必要であれば立ち入り検査、罰金を科す機能や内部報告を求めることも可能だ。
一般団体より実行ができると位置付けられた為、権限を有する団体となった。
仮想通貨流出したZaifの親会社テックビューロについて
Zaif仮想通貨流出事件についてはこちらを参照。
テックビューロ社長朝山氏の対応について
仮想通貨取引所Zaifの計70億円以上の被害額が生じた先月発覚した仮想通貨流出事件後、同取引所の親会社であるテックビューロ社の朝山社長は公の場に出ておらず、プレスリリースや書面での発表などを除く、記者会見などはしかねている。
そんな中、このまま朝山氏が公の場に出ず、事業継承が行われる可能性について奥山氏はこう述べた。
事件でございますので盗まれたものとして捜査が進んでおり、判断がデリケートなところ。
早い段階でどういうことなのか説明責任をはたしてもらいたいが、コインチェック様も流出事件後、(記者会見などでの)説明には1ヶ月強かかったため、情報の整理、把握、当局の連絡で時間がかかっているのは致し方ない。
と述べた上で、「説明責任を果たすことは大事」である点を強調している。
なお、テックビューロ社はホームページに現在掲載されている内容以上の説明はできないとのことだ。
ホットウォレットの保有割合について
日本仮想通貨交換業協会はホットウォレットに原則的に必要以上に残高を置くべきではないと述べた。
同団体では、定めた保有する資産の上限である20%という割合は取り急ぎの対応で、技術的なセキュリティ、安全管理を自主規制していく方が長期的には重要であると説明した。
日本仮想通貨交換業協会のテックビューロへの対応
またJVCEAがテックビューロにどのような対応をしていくのかという問いに関し、仮想通貨取引所Zaifの流出事件は先月9月に発覚し、日本仮想通貨交換業協会は10月24日に自主規制団体として認定された為、認定前に起きた事件に関して業者の事件に関する情報を求めたり、立ち入りはできない状況であると奥山氏は説明した。
一般仮想通貨ユーザーへの一言
また会見の最後から一般仮想通貨ユーザーへのコメントを求められた奥山氏は仮想通貨の現状を踏まえた上で、次のような肯定的なコメントをした。
仮想通貨の本質はマネーゲームではない。
…過剰投機は問題だが、投機が前面的に悪いわけではなく、一概に立て板できるわけではない。
健全な仮想通貨の市場発展を願いながら、…業界の信頼回復を図っていきたい。
会長の奥山氏は最後に再び「利用者保護を最優先」としていることを強調した上で、会見を終えた。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します