イーサリアムの次期アップグレード「Pectra」 25年第1四半期を目標に
ペクトラ、2025年第1四半期を目標に
イーサリアム(ETH)の次期アップグレード「Pectra(ペクトラ)」の計画が明らかになった。5月23日のオンライン会議によると、Ethereumコア開発者は2025年第1四半期末を目標としている。
Pectraは、実行レイヤーのPrague(プラハ)アップグレードとコンセンサスレイヤーのElectra(エレクトラ)アップグレードで構成される。
今回のアップグレードでは、EOF、PeerDAS、EIP-7702などが採用される見込みだ。以下に主要な要素を説明する。
- EVM Object Format(EOF): EVMコードのオプトイン・コンテナを導入する約11のEIPセット。
- PeerDAS: データ可用性サンプリング(Data Availability Sampling)ソリューション。これは、ネットワーク上のデータの可用性を確認するための技術で、Ethereumの既存のピアツーピアネットワークを活用して実装される。ネットワーク全体のデータの一貫性と可用性が向上する。
- EIP-7702: ヴィタリック氏が導入した、アカウント抽象化EIP-3074の改善案。取引中にEOA(Externally Owned Accounts)がスマートコントラクトのウォレットとして機能するようになる。
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さらに次のOsakaハードフォークも視野
注目度の高い「Verkleツリーの導入」は、さらに次のアップグレードであるOsakaハードフォークまで延期する方向で議論されている。
VerkleツリーはThe Vergeフェーズの一部であり、より小さな証明へと、データ構造を最適化するように設計されている。このアップデートは、ブロック検証プロセスを合理化することで、ステートレスクライアントの実行可能性を高めることを目的としている。
イーサリアムの開発チームは、スケーラビリティの向上に向けた継続的な努力を行っており、2024年3月にはDencunアップグレードを成功させた。レイヤー2(L2)からレイヤー1(L1)へのデータ転送量が削減され、結果としてL2スケーリングソリューションの取引手数料が2倍からおよそ10倍低減した。Dencunで導入されたブロブは、シャーディングという並列処理技術に向けた重要な一歩とされる。
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