はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

イーサリアムDEXトレーダー70%超急増、Uniswapが市場独占するも特許訴訟に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

イーサリアム取引が活発化

分散型取引所(DEX)におけるイーサリアムの取引活動が活発化し、1日のアクティブユーザー数が約64,000人に急増した。5月4日の約37,000人から73%増加し、3ヶ月ぶりの高水準となった。

トレーダー数が増加した一方で、イーサリアムの月間取引量は約150億ドル(約2兆1,665億円)と横ばいであることから、機関投資家ではなく小規模な取引を行う個人投資家によるものが大部分を占めているとみられる。

歴史的に見ると、個人投資家主導の動きは、市場全体の活性化に先行することが多いことから、今後、イーサリアム市場が加速する可能性を示唆している。

イーサリアムは5月7日、2022年のマージ以来最も重要とされるネットワークアップグレード「ペクトラ」をメインネットで実装。ユーザー体験、バリデータ運用、ステーキング効率の改善、レイヤー2の統合強化が行われた。

アップグレード後、米中貿易合意との背景もあって低迷していたイーサリアム価格は急速に回復し、市場センチメントも改善されたことから、イーサリアム取引への投資家の関心が再び高まっている。

関連:イーサリアム将来価格2025展望 | ETF・機関投資家・開発動向の注目点

Uniswapの躍進

DEXの中でもUniswapは優位性を維持している。5月12日、創設者のヘイデン・アダムズ氏は、同プラットフォームがDEXで初めて累計取引量3兆ドル(433兆円)を突破したと発表した。

Uniswapは、イーサリアムの月間DEX取引量150億ドル(約2兆1,665億円)のうち、86%に当たる130億ドル(約1兆8760億円)を占め、約97%のトレーダーを獲得している。

Uniswapがイーサリアム取引市場で高いシェアを誇る要因の一つに、イーサリアムのペクトラアップグレードに含まれるEIP-7702を迅速に採用したことがあると考えられる。EIP-7702により、イーサリアムにアカウント抽象化が導入され、外部所有アカウント(EOA)が一時的に、スマートコントラクトウォレットのように動作することが可能になった。

Uniswapは、このEIP-7702にいち早く対応し、プラットフォーム全体で「ワンクリックスワップ」の実現を目指す独自ウォレットの導入を発表。ユーザーの取引体験の向上をもたらした。

DeFiLlamaのデータによると、Uniswapは現在、1日あたり約44億ドル(約6,344億円)の取引量を処理しており、DEX市場の28%のシェアを占めている。

特許侵害で提訴される

一方、分散型金融(DeFi)プロトコルBancor(バンコール)は20日、Uniswapが自社の技術を許可なく使用し、多額の利益を得ているとして、特許侵害でUniswapを米国連邦裁判所に提訴した。

特許を侵害したとされる技術は、分散型取引を可能にする「定数積型自動マーケットメーカー(Constant Product Automated Market Maker, CPAMM)」の基盤技術。Bancorは、2016年に開発したCPAMM技術に関する特許を2017年1月に申請し、この技術とその応用による2つの特許を取得した。Bancorは同年、この技術を搭載した世界初の完全分散型取引所(DEX)を立ち上げた。

Bancorは、Uniswapがこの特許取得済みの技術を無許可で使用して、独自のプロトコルを構築したと指摘。2018年11月のローンチ以降、Uniswapのバージョン1からバージョン4に至るまで、継続的にCPAMMを使用したと主張している。

Bancorのプロジェクトリーダーであるマーク・リチャードソン氏は、「ある組織が当社の発明を許可なく継続的に使用し、競合手段として使用している場合、当社は対策を講じなければならない」と提訴の動機を語った。

Uniswapのような企業が何の責任も負わずに無制限に行動できるのであれば、業界全体のイノベーションが阻害され、すべてのDeFiプレイヤーに損害を与えることを危惧している。

一方、Uniswap Labsの広報担当者は、この訴訟には根拠がないと主張。「Uniswapプロトコルのコードは長年公開されており、DeFiが歴史的な勢いを増しているこの時期に、これほど無駄な訴訟を起こせるとは、実に残念だ」と述べた。

CPAMMは、流動性プールにリソースを追加または引き出す際に数学的アルゴリズムを利用し、許可不要のオンチェーン取引を可能にする。この技術により、従来の取引所の限界が克服され、DeFiの基盤を築くことができた。

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
06/24 火曜日
19:00
1000億円超の資金調達に成功 著名投資家ポンプリアーノのビットコイン・トレジャリー会社
アンソニー・ポンプリアーノ氏が率いるProCap BTCがSPAC「Columbus Circle Capital Corp」と合併し、1500億円規模のビットコイン・トレジャリー企業「ProCap Financial」を設立する。7.5億ドルの資金調達に成功し、ナスダック上場を目指す。
18:14
金融庁、金商法移行を本格検討 分離課税やビットコインETFの機運高まる
金融庁が暗号資産(仮想通貨)の法制度の抜本的見直しを開始する。資金決済法から金商法への移行により、現在の総合課税(最大55%)から約20%の分離課税への転換や、ビットコインETFの国内解禁が期待される。政府の投資立国戦略の一環として、Web3・暗号資産分野の本格的な環境整備に乗り出す歴史的転換点となる可能性。
18:00
OKJ、イーサリアム(ETH)ステーキングサービスを6月26日開始|最大年率2.25%
暗号資産取引所OKJが6月26日よりETHステーキングサービスを開始。フレキシブル(年率1.80%)と定期(年率2.25%)の2プランが提供される予定。
13:30
シフ米上院議員が『COIN法案』提出、大統領と家族の仮想通貨事業を禁止する内容
民主党のアダム・シフ上院議員は大統領と副大統領、その家族による仮想通貨関連事業を禁止するCOIN法案を提出。違反には罰金と最大5年の禁錮刑を規定しトランプ大統領の仮想通貨関連事業を牽制する狙いだ。
13:00
テキサス州、犯罪関連の仮想通貨押収を認める法案が成立
米国テキサス州で犯罪関連の仮想通貨やNFTの押収を認める法案SB1498が成立した。先日、ビットコイン準備金設立法案も承認されたところだ。
11:44
ビットコインなど仮想通貨急反発、トランプ大統領の停戦発表報道を受けショートスクイーズ発生
トランプ大統領のイスラエル・イラン停戦合意発表を受け、仮想通貨市場でビットコインやアルトコインが急反発した。過去最大規模のショートポジション強制清算によるショートスクイーズが価格押し上げの主因に。しかし、イラン外相が停戦合意の存在を否定し、市場の先行きに不透明感も。
11:25
アダム・バック「ビットコイン財務株シーズンが新たなアルトシーズンに」
BlockstreamのアダムバックCEOがアルトコイン時代の終了を宣言。アルトコインよりもビットコイン財務戦略採用企業への投機を推奨。
10:50
今後1週間のトークン解除量は? ソラナやドージコイン、ワールドコインも予定
6月23〜30日の1週間で130億円相当のトークンがクリフ型でアンロックされる予定だ。ソラナ、ドージコイン、ワールドコインなど主要銘柄のライナー型アンロックスケジュールも解説する。
10:26
上場企業がハイパーリキッドに投資 EyenoviaとHYLQ StrategyがDeFi戦略を展開
EyenoviaとHYLQがHyperliquid基盤のDeFi戦略を発表。HYPEトークン取得やKinetiq提携を通じ、企業の分散型金融参入が進む。
10:10
トランプメディア、580億円自社株買いを発表 ビットコイン財務戦略と並行実施
トランプメディア・アンド・テクノロジー・グループが最大4億ドルの自社株買いプログラムを発表。30億ドルの資金でビットコイン戦略と株主還元を両立させる方針。
09:45
米仮想通貨企業に追い風か FRBが監督方針を転換
FRBは銀行の監督における審査項目から風評リスクを削除する方針を発表。ビットコインを初めとする仮想通貨や関連企業にとってポジティブな動きだとの受け止めが広がっている。
09:20
ビットコイン10万ドル割れから急騰、イラン・イスラエル停戦報道を受け|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは日本時間6月23日から24日にかけて一時10万ドルを下回ったが、トランプ大統領がイスラエルとイランの停戦合意を示唆したことで急反発し、イスラエル・イラン紛争開始時の価格帯まで回復した。
08:15
サークルの株価大幅続伸、コインベースやUSDC時価総額超え
ステーブルコイン大手サークル社がIPO後1ヶ月足らずで株価7倍上昇。31ドルから298ドルまで急騰した背景を分析。
07:35
イラン・イスラエル紛争でもビットコインは株式より安定か、今後の市場変動要因は?
イラン・イスラエル紛争激化でビットコインの60日実現ボラティリティが27-28%と、S&P500やナスダック100を下回る安定性を示す。地政学リスクでも資産クラスとして成熟化進む。
07:02
仮想通貨投資商品、先週は12億ドル超の資金が純流入
仮想通貨投資企業CoinSharesは、デジタル資産の投資商品に先週は約12.4億ドルの資金が純流入したと報告。イランとイスラエルの緊張が高まる中、ビットコインとイーサリアムが資金流入を主導した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧