
新時代へ
米証券取引委員会のポール・アトキンス新委員長が19日、年次カンファレンスで仮想通貨規制の全面見直しを発表した。「SECにとって新たな時代が始まった」と述べ、前政権下での「場当たり的」な執行措置を批判した。
アトキンス氏は仮想通貨市場が「SEC内で長年停滞していた」と指摘し、規制当局は技術革新を恐れるのではなく受け入れるべきだと強調した。前政権では「まず撃ってから質問する」執行アプローチが取られ、市場参加者との間に信頼関係が築けなかったと批判した。
新政権下では仮想通貨政策の3つの重点分野として「発行」「保管」「取引」を設定した。発行分野では証券とみなされる仮想通貨の流通に関する明確なガイドライン策定を約束し、これまで更新されていなかった申請様式の見直しを表明した。
保管分野では職員会計公報121号を撤回し、銀行の仮想通貨カストディ事業参入を阻害していた規制を解除した。アトキンス氏は適格カストディアンの種類を明確化し、仮想通貨市場の慣行に対応する例外規定の設置を検討すると発表した。
さらに、取引分野では「証券市場参加者がブロックチェーン技術革新のために海外進出を強いられるべきではない」と述べた。現行規制に適合しない新サービスへの条件付き免除措置を検討し、証券・非証券取引を一つの屋根の下で可能にする「スーパーアプリ」実現を目指すとした。