「ビットコインの価格上昇には現物ETFの純粋な買い需要が必要」Glassnode分析
ビットコイン現物ETFの現状
暗号資産(仮想通貨)の市場分析を行うGlassnodeは11日、週刊のニュースレターを公開し、米国のビットコイン現物ETFはキャッシュ・アンド・キャリー取引に利用されているとみられると指摘した。
現物ETFへの資金流入が増えていても、キャッシュ・アンド・キャリー取引によって買い需要が抑制されている可能性があるとも説明。もしこの見方が正しければ、ビットコインの価格上昇には純粋な買い需要が必要であると述べている。
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この場合のキャッシュ・アンド・キャリー取引とは、ビットコイン現物ETFを買い、一方でビットコイン先物取引をショート(売り注文)すること。キャッシュ・アンド・キャリー取引は仮想通貨取引以外でも、主に価格変動のリスクをヘッジする目的で行われている。
Glassnodeは今回、米国の現物ETFの運用資産残高、米国政府やマウントゴックス、取引所、マイナーといった大口保有者の状況、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の先物市況を分析した。
その上で分析結果が、ヘッジファンドらによって現物ETFはビットコインのロング(買い注文)の手段として利用され、同時にCMEの先物がショートに使われていることを示唆していると説明。この市場に中立な動向が、ビットコインの価格上昇を抑制しているのではないかとの見方を示している。
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関係者の見解
ビットコイン現物ETFなどの金融商品を提供する21Sharesで資本市場部門のトップを務めるAlistair Byas-Perry氏は「The Block」に対し、Glassnodeと同様の見解を示した。The Blockが12日に報じた。
同氏は、キャッシュ・アンド・キャリー取引は、ビットコイン現物ETFの投資家がよく利用する戦略の1つだと指摘。現物ETFでロングし、CMEでショートする手段は、ヘッジファンドが比較的多く利用すると述べている。Byas-Perry氏は、欧州でも昨年にこの戦略はよくみられたと説明した。
また、先物は限月までの期間が長いほど先物価格が高くなる(=コンタンゴ)ことが多いため、現物と先物価格の差を狙う投資家もいると指摘している。
同氏は、「キャッシュ・アンド・キャリー取引の需要は、ビットコイン現物ETFがこれまで成功している理由の1つだ」との考えを示した。
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