証券性問題で仮想通貨BNB判例を援用、米コインベースとリップル社
米地裁がBNBの証券性を否定
米暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースと米リップル社は2日、米証券取引委員会(SEC)との裁判で新たに書類を提出した。SEC対バイナンスの裁判で先週、BNBの二次販売の証券性が却下されたことに言及している。
これは、ワシントンD.C.地方裁判所のエイミー・バーマン・ジャクソン判事が先週、SECに対する訴訟の棄却を求めるバイナンスの要求をほぼ却下したが、BNBの二次販売は証券であるなどとするSECの主張の一部については認めなかったことを受けた動きだ。
ジャクソン判事は、バイナンスに対するSECの告発の大部分を進めることを認めている。その一方で、部分的にはバイナンスの主張を支持し、ステーブルコインBUSDや「Simple Earn」プログラムの提供は投資契約を構成しないと判断した。
「Simple Earn」とは、BNBを預けることで貸して増やすことのできるサービスだ。
さらにジャクソン判事は、BNBトークンの二次販売についても、XRPに関する昨年7月のトーレス判事による判断を引用した上で、証券性を却下している。
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コインベースは、明確な規制を求めて2023年にSECを提訴しており、現在は控訴裁判所で議論が進められているところだ。コインベースはこの訴訟に関して、新たな申立書の中で次のように指摘した。
ジャクソン判事の意見書は、SECによる証券法に関する新たな解釈が「ハウィーテストの枠組みから逸脱しており、裁判所や仮想通貨業界、将来の買い手と売り手にとって、証券であるトークンとそうでないトークンとの明確な区別がつかない状態にしている」と認めている。
また、SECはトークンの証券性を判断する基準について首尾一貫して説明したことはなく、徹底的な法的執行キャンペーンを通じて、仮想通貨業界にその判断を遡及的に押し付けようとしているとも述べた。
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なお、コインベースとSECの間では、SECがコインベースを有価証券を提供しているとして起こした訴訟なども進行中だ。
ハウィーテストとは
米国で行われる特定の取引が、投資契約による有価証券取引に該当するかどうかを判定するテスト。SECのW. J. ハウィー社に対する訴訟事件に由来する。
法的拘束力はないが、SECはハウィーテストをもとに仮想通貨の銘柄やサービスに対して訴訟を起こしている。具体的には「資金を集めているか」「共同事業であるか」「収益を期待しているか」「収益が他者の努力によるか」を判定するテスト。なお、仮想通貨という新しい資産に、ハウィーテストは適さないという声もある。
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リップル社も新たな書類を提出
米リップル社も、バイナンス対SEC訴訟での地裁判断を受けて、SECとの裁判で新たな書面を提出した。
その中で、リップル社はジャクソン判事の意見を引用している。ジャクソン判事は、「デジタル資産はハウィーテストに厳密に当てはめることが難しく」、さらに数十億ドル規模の仮想通貨業界を、各訴訟を通じて監督することは「効率的な進め方ではないと思われ」、関係当事者に一貫性のあるガイドラインを与えないことになるリスクがあると述べていた。
6月には米地裁のハミルトン判事が、米連邦証券法に基づく集団訴訟4件を棄却する一方で、1件の州法上の訴訟については裁判を行うことを認めている。
この際には、XRPの取引所での二次販売が証券性を持たないとは言い切れないとしてトーレス判事の判断に異論を唱えていた。
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しかし、今回のバイナンス対SEC裁判では、あるトークンの証券性についてまた別の判事(ジャクソン氏)がトーレス判事の意見に賛同したことになる。
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