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「仮想通貨XRP自体は有価証券ではない」米地裁、裁判で判決下す

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

XRP裁判で判決

米地裁のアナリサ・トーレス判事は13日、2020年12月の米証券取引委員会(SEC)による訴訟から始まったXRP裁判について一部の判決を下した。

暗号資産(仮想通貨)XRPの機関投資家への販売は未登録有価証券の取引だったという点だけSECの主張を認めた以外、判事はリップル社側の申し立てを容認。デジタルトークンとしてのXRP自体は有価証券ではないと判断した。リップル社のスチュアート・アルデロティ最高法務責任者は、この判決は「大きな勝利である」とコメントしている。

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判事は、取引所でのプログラムされたXRPの販売は、今回被告となったブラッド・ガーリングハウス氏やクリス・ラーセン氏らの販売を含め、ハウィーテストの「他社の努力による利益の期待」の要件を満たせていないと指摘した。

ハウィーテストとは

米国で行われる特定の取引が、投資契約による有価証券取引に該当するかどうかを判定するテスト。SECのW. J. ハウィー社に対する訴訟事件に由来する。

法的拘束力はないが、SECはハウィーテストをもとに仮想通貨の銘柄やサービスに対して訴訟を起こしている。具体的には「資金を集めているか」「共同事業であるか」「収益を期待しているか」「収益が他者の努力によるか」を判定するテスト。なお、仮想通貨という新しい資産に、ハウィーテストは適さないという声もある。

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機関投資家は、XRPの販売から得る資金をリップル社がXRPエコシステムの発展に使い、XRPの価格が上昇することを期待できたが、セカンダリー取引所を使う一般投資家は同じ期待をすることはできなかったため、証券法に違反しないとしている。

取引所のユーザーは自分のお金がリップル社と他の売り手のどちらに行き渡るかどうかを知ることはできなかったと説明。また、ガーリングハウス氏とラーセン氏は、誰にXRPを販売したかわかっていなかったとし、その購入者も売り手が誰であるのか知らなかったと指摘した。

XPR裁判に詳しいジェレミー・ホーガン弁護士は、判事はセカンダリーマーケット(流通市場)には言及していないものの、今回の判決によると、世界に流通しているXRPのほとんどは有価証券には該当しないだろうとの見方を示した。

今回の判決に市場は大きく反応。本記事執筆時点で、XRPの価格は、24時間比で70%超急騰している(CoinGecko参照)。

また、SECの提訴によってXRPの取引を停止していた米コインベースは14日、取引の再開を発表した。

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当事者のコメント

リップル社のCEOであるガーリングハウス氏は今回の判決を受け、以下のようにコメントした。

我々は2020年12月、法律の正しい側にいると主張し、歴史の正しい側に立つとも述べた。今回の判決までサポートしてくれた全ての人に感謝している。

この判決は、米国における仮想通貨の全てのイノベーションに恩恵をもたらすだろう。

また、「The Block」によると、SECの担当者は控訴の可能性を示唆した上で以下のようにコメントしたという。

特定の条件下ではXRPの販売が投資契約であると裁判所が判断したことは正しい。

また、裁判所は、仮想通貨取引の分析にハウィーテストを用いることに同意してくれている。

なお、SECの主張も一部認められているため、リップル社が控訴する可能性もある。

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