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ハーモニー、トークン不正発行分の巻き戻し計画を発表

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • 対象取引は10万件超
  • 追跡率は99.9%以上に到達

巻き戻し計画発表

仮想通貨プロジェクトのハーモニーは17日の公式声明で、不正なトークン発行が発生したネットワークの巻き戻し計画を発表した。対象はシャード0のブロック92,730,034とシャード1のブロック94,978,278で、いずれも2026年8月11日23時時点の状態だ。

バリデーターは両ブロックの状態を反映した差し替え用データベースを用いる。新バージョンのv2026.1.2では問題のあるブロックハッシュを拒否する仕組みを導入し、新しいブロックはシャード0で92,730,035、シャード1で94,978,279から生成される。

ハーモニーは、シャード0で最初の不正発行が確認されたのはブロック92,730,036だったと説明した。直前のブロック92,730,035には通常の取引やステーキング取引、受信レシート、ガス消費がなく、状態もブロック92,730,034と同一だったという。同社はこの1ブロック分の余裕を安全マージンとして92,730,034を基準に選んだと述べ、データベースやスクリプト、バリデーター向けの作業もこのブロックを前提に構築・検証されており、後から変更するとバリデーターが異なる目標を使う事態になりかねないとしている。不正発行はシャード0で発生したもので、シャード1は同時刻の予防的措置として対象に含めたという。

ハーモニーは巻き戻し以外の選択肢についても検討したことを明らかにした。不正発行されたONEは複数の取引所やプール、コントラクト、多数のウォレットを経由しており、対象を絞った修正は無関係な資金に影響する可能性があるという。ブラックリスト方式は不正発行分を除去できず無関係なウォレットを止めるおそれがあるとし、取引を選択的に再実行する方式はチェーンの状態が変化した後では同じ取引でも結果が変わり得るため公平な選定基準がないと判断した。

トークンのマイグレーションはより大きな混乱を招くとし、単純なデータベースの巻き戻しは主にチェーンの先頭を移動するだけでレシートやインデックス、スナップショット、クロスシャードのデータを完全には除去できず、攻撃経路の再発やバリデーター間の不整合につながりかねないと結論づけた。こうした検討を踏まえ、各シャードに1つずつ差し替え用データベースを用意する方式を選んだという。

関連記事:レイヤー1のHarmony、ONE供給26%不正発行か 価格急落で凍結要請

Harmonyのネットワークで最大40億ONE(供給の26%相当)が不正発行されたとの分析が浮上した。同社は取引所に資金凍結を要請し、パッチとロールバックの検討を進めている。ONE価格は24時間で36%超下落した。

追跡調査の進捗

巻き戻し計画と並行し、ハーモニーは資金の追跡調査についても状況を明らかにした。不正発行されたトークンを保有する1つのウォレットは、106秒間に50億ONE単位の送金534件を試み、うち477件が成立して合計2兆3,850億ONEが移動したという。

同社は不正発行の全ウォレットを起点とする時系列順のグラフを構築し、署名済みの取引や成功した送金、失敗した試み、その後の資金移動を分けて分析した。追跡データはシャード0のブロック92,805,850までのブロック情報や取引レシート、残高と照合したとしている。追跡範囲は単独ウォレットのほか、取引所、DEXのルーターやプール、LPポジション、ブリッジ、ラップドONE、ステーキング、大口サービス用ウォレットにまで及んだという。

初期のモデルでは不正発行分の99.9%超がいずれかのウォレットやサービスの境界まで追跡できたとし、その後のモデルでは手数料も含めほぼ100%の突合ができたと説明した。ただし同社は、この高い割合について注意が必要だとしている。ウォレットやクラスターまでの追跡と個人の特定、安全に焼却できる範囲は別の基準であり、クラスターやサービス用ウォレットには無関係な多数の利用者が含まれる場合があるという。

単独ウォレットに留まったままの資金は隔離できる可能性があるが、取引所やDEXプール、LPポジション、ブリッジ、ステーキングなど共有残高に一度組み込まれると、追跡額全体を焼却すれば無関係な資金やサービスに影響しかねないとしている。

ハーモニーは取引所やブリッジ運営者、法執行機関と連携し、記録の保全と調査を継続していると述べた。独立した第三者のセキュリティ企業も別途調査を行い、不正発行の事実と主要な資金フローの分析結果を裏付けたという。

事件の経緯

ハーモニーは12日、ネットワーク上で不正なトークン発行が起きた可能性があるとして、複数の取引所と連携し資金の凍結を進めていると発表した。

同社は問題のあるウォレットアドレス4件を公開し、取引所に凍結を要請したうえで、パッチの準備とロールバックの選択肢を検討していることを明らかにした。原因や発行枚数、取引所への流出額については当時確認しておらず、明らかになった数字は外部分析によるものだった。

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