リップル社マーケティング最高責任者、仮想通貨(ブロックチェーン)早期採用による恩恵を語る

リップル社のCMOが語る:仮想通貨・ブロックチェーンの早期採用による将来的メリットに関して
米経済誌フォーブスの取材にて、リップル社の『マーケティング・コミュニケーション』VPは仮想通貨・ブロックチェーンにおける早期採用による恩恵と注意点に関して見解を述べた。
CMOとは
CMO とは、Chief Marketing Officer(チーフ マーケティング オフィサー)のことで、主に米国企業等で用いられる役職の一つであり、マーケティングにおいて全社の最高責任者である。また、経営とマーケティング業務とIT業務を連動させていく事、マーケティングが機能する仕組みを企業のなかに作る事、企業のマーケティングにおける説明責任を担う事が主な業務とされる。

ブロックチェーン・アイランド構想

仮想通貨( ブロックチェーン)の採用と普及に積極的に動いている国家と言えば、真っ先に「マルタ」が挙げられるだろう。

世界最大手の仮想通貨取引所バイナンスが本拠地を移しただけでなく、様々な関連業界の企業もマルタが掲げる「ブロックチェーン・アイランド構想」に伴う、仮想通貨にフレンドリーな法律整備に魅了され、続々と進出を目論んでいるとされている。

現在ニューヨーク市で開かれている“国連総会2018”にて『ブロックチェーン島』と知られるマルタ共和国の首相を務めるJoseph Muscat氏がブロックチェーン技術は、仮想通貨がお金の未来となることを可能とし、医療や慈善事業も改革すると見込む。

また、ベネズエラのように、仮想通貨( ブロックチェーン)の研究・開発を進めることで、国家発行の仮想通貨を通して、経済的不況を打破しようとする国も今後増えていく可能性が考えられる。

現在、ベネズエラでは経済混乱により大幅なインフレが起き、法定通貨の著しい価値低下が問題となっている。オイル価格に裏付けされた法定仮想通貨ペトロは、ベネズエラ経済を安定化させるカンフル剤となり得るだろうか。

10月31日には、基軸通貨ビットコインの論文(ホワイトペーパー)が10周年を迎えており、世界各国の企業や金融機関も、仮想通貨( ブロックチェーン)に関する利点について、今一度洗い直しているものと思われる。

仮想通貨の早期採用によるメリットとは

そんな中、米経済誌フォーブスのコントリビュータAndrew Rossow氏は、仮想通貨の普及率がまだまだ途上にある中、早期採用による恩恵に関する取材を行なった。

Rossow氏は、「仮想通貨を決済手段として採用することは、業界によっては”絶大なアドバンテージ”をもたらしうる」と記述し、米リップル社のマーケティング・コミュニケーションVPを務めるMonica Long氏に対し、新興技術によるビジネス利益に関する取材を行ったという。

Long氏のコメントは、以下の通りだ。

1. 決済スピードの大幅改善

Long氏によると、今まで課題とされてきた「国際間における送金決済」は5日間以上要する場合もあり、資金繰りが詰まってしまう企業も少なくない。

同氏は、決済速度の改善に関して以下のように語っている。

このような、円滑な送金システムに対する需要は、すでにいくつかのブロックチェーン・仮想通貨企業を大きく成長させている。

小規模ビジネスは、ローカル銀行に決済ソリューションの改善を求め、その銀行が仮にブロックチェーンを導入した場合、海外から資材を仕入れる小規模ビジネスにとっては、時短で購買の決済を済ませることができる恩恵が多いと言える。

実例として、直近でリップル社は計200もの企業がリップルネットに参加していると明らかにしており、国境を超えたオンラインショップなどの中小企業向け決済サービスや、中東などを含む40カ国以上の国々へ現地通貨建ての国際送着金サービス及び為替業務を行なっていることから、ビジネスの効率化につながると考えられる。

2. コストの大幅削減

ブロックチェーン技術を活用し、通常ではいくつかの銀行を通して行うクロスボーダー決済から、多くの銀行の手数料を削減するにあたり、以下の4つのメリットが考えられるという。

  • 新たなクライアントを増やすことでの業務拡大
  • クライアントのペイメントに伴うコスト削減
  • 仲介による決済管理とプロセスの削減
  • 決済手数料の削減

企業はどのように対応すべきか

リップル社のLong氏は、ブロックチェーンの可能性を認めつつも、「ハイプ(誇大広告)」についても指摘した。

Rossow氏によれば、ブロックチェーン導入企業も多く見られるが、必ずしもこの技術が必要となっているとは限らず、むしろ、ブロックチェーンの必要性を見極めることが、今後の事業拡大において重要なポイントとなると述べている。

Long氏は、これについて以下のように説明した。

忘れてはならないのは、必ずしもすべての物事にブロックチェーンが必要となる訳ではないことだ。単純にブロックチェーンというブームに乗り込もうとせず、クライアントのために実際の問題をどのように解決するかにフォーカスすることが、長期的に信頼されるブランドを築くことに繋がるだろう。

Ripple社CMOの着眼点

ブロックチェーンに関する、Ripple社CMOの着眼点は、以下の通りだ。

  • 対象となるビジネスエリアを知ること=仮想通貨に対する適応力を見分ける
  • 仮想通貨(ブロックチェーン)コミュニティに対し、積極的に参加すること=いち早く業界のトレンド・技術応用の仕方を入手、ビジネス面でのPRも可能となる
  • 自社の決済業務に関する弱点を見出し、ブロックチェーンによる解決策を探ること
  • 仮想通貨関連業務を速やかに実行すること=仮想通貨取引所の選定・業務開始の公開および仮想通貨の利用仕方などに関する詳細(透明性に繋がる)を説明すること

ブロックチェーン技術と仮想通貨を導入する企業はますます増えつつあり、今後もあらゆるビジネスにおいて、有用性を発揮することができるだろう。

企業による早期発見、早期採用は、技術の普及において重要な要素となる。

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