米保健当局、食品衛生管理にブロックチェーン導入検討|米国内O157流行が背景
- 米保健当局:食品衛生管理にブロックチェーン導入か
- 最近アメリカとカナダにおいて、ロメインレタスを摂取したことが原因で、腸管出血性大腸菌O-157とみられる感染が急激に広がっている。そうした中、食品衛生管理の改善に乗り出すFDAはブロックチェーン技術の導入を検討している。
米・カナダで広がる食中毒
最近アメリカとカナダにおいて、ロメインレタスを摂取したことが原因で、腸管出血性大腸菌O-157とみられる感染が急激に広がっている。
現在、米国食品医薬品庁(FDA)、アメリカ疾病管理予防センター(CDC)などの保健当局は調査を進めているが、原因としては、カリフォルニア州北中部に位置するセントラルコーストで栽培されたロメインレタスであるとの見方が強い。
CDCはロメインレタスを食べることのないよう、注意喚起をしている。
FDA:ブロックチェーン導入を検討
このように食品衛生の問題が米国内で噴出する動きを背景に、米国食品医薬品庁(FDA)は食品衛生管理の向上を目的に、より優れた食品の追跡ツール導入を検討し、ブロックチェーン利用も視野に入れている。
また一連の動きの中で、FDAのコミッショナーScott Gottlieb氏が、ブロックチェーンにも携わっているウォルマート食品衛生部門の前副責任者Frank Yiannas氏をFDAの食品・動物薬事務局の副コミッショナーに起用したことを発表した。
米最大手スーパーマーケットウォルマートは、報道されたように、IBMのブロックチェーン基盤の独自フードサプライチェーンネットワーク”IBM Food Trust”に参画、今回起用されたYiannas氏も、ウォルマートの葉物野菜などの品質を管理するため、サプライチェーンへのブロックチェーン技術導入に携わっていた。
FDAコミッショナーGottlieb氏は、以下のように語っている。
我々はウォルマートの食品衛生部門の前責任者であるYiannas氏を迎え入れた。
これでFDAのフードサプライチェーンの追跡性を、ブロックチェーンのようなツールを用いて向上させてくれるだろう。
また、Yiannas氏は、ブロックチェーンのトラッキング技術の有用性を語っている。
将来的には、ブロックチェーンを利用することにより、顧客はバーコードをスキャンし、その食品がどこから来ているのか、すぐに知ることができるだろう。
広まるブロックチェーン導入の動き
IBMの独自フードサプライチェーンネットワーク”IBM Food Trust”に、ウォルマートだけでなく、フランス基盤で33カ国に跨り、1.2万店舗を有する巨大企業Carrefourや、ネスレ、ユニリーバ、Tyson Foodsなども参入している。
このように、食品のサプライチェーン分野において、ブロックチェーン導入の動きは広がりを見せている。
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