中国仮想通貨マイニングマシン販売業者に大きな痛手 ASICの売れ行き不調
- ASICマシンの売れ行き不調
- 多くのマイニング業者が集まっていることで知られる深セン市華強北地区は、ひと昔中国全土から仮想通貨マイナーがASICを購入しようと殺到していたが、現在やその様子は見られない。相場急落によるマイナーの利益減少の影響を受け、ASICの売れ行きはかなり不調となっている格好だ。
中国のASIC:売れ行き不調、その実態とは
中国のブロックチェーンメディアOdaily の報道によると、最近の仮想通貨価格の暴落を受け、中国のASIC販売業者は大きな痛手を負っている。
多くのマイニング業者が集まっていることで知られる深セン市華強北地区は、以前中国全土からマイナーがマイニングマシンを購入しようと殺到していた。
しかし、現在は閑古鳥が鳴いている格好だ。
現地セールスマンも商品を出荷できず、困り果てている様子。その影響でマイニングマシンの販売価格にも大きな変化が現れている。
例えば、以前「Shenma WhatsMiner M3」は、9万8,000円ほどで販売されていたが、現在は2万円以下で購入可能となっている。
深センのIT中心地であるSEGプラザに勤めるセールスマンのDehui Kang氏は、「まだ仕事はあるものの、マイニングマシンを販売して得られる利益は、携帯電話を販売して得られる利益とほぼ同等だ。」と話し、マイニングマシン販売の利益が減少していることを明らかにした。
また先日コインポストでも報道したように、最大手マイニング企業ビットメイン社も弱気相場を受け、イスラエル部門の閉鎖を余儀なくされている。
販売不調の背景とは
この売れ行き不調の背景には、マイナーの利益が減少していることが挙げられるが、主に3つの要因がマイナーに大きな打撃を与えている。
- 仮想通貨価格の大幅下落
- 旧型マイニングマシンの「シャットダウン・プライス」
- 電気代の値上がり
仮想通貨価格の大幅下落
先月には、2017年10月以来となる1BTCが50万円を下回った安値が記録されるなど、全体仮想通貨の時価総額は下落する一方となっている。
先月、世界三大ビットコインマイニングプールF2poolの創設者Shixing Mao氏は「9月中旬から、不調な相場が要因か、特に中小規模において、50万〜80万ものビットコイン・マイニングマシンが稼働を停止されている」と指摘した。
旧型マイニングマシン
現在Antminer S7やthe Antminer T9、the Avalon A741など旧型のマイニングマシンは、いわゆる「シャットダウン・プライス」と呼ばれ、今やその能力では、消費電力などのマイニングコストをカバーできない領域に及んでいるという。
そうした理由から、大規模なマイニング工場は稼働を続けているものの、中小規模のマイニング工場は非常に厳しい状況に置かれている。
電気代の値上がり
その他、マイナーを苦しめる要因として、冬シーズンにおける電気代の値上がりが挙げられる。
米国に拠点を置くベンチャーキャピタルDanhua Capital社の取締役Dovey Wan氏は、下記のように述べている。
その他の要因として、電気代が考えられる。
今中国では乾燥する季節で、水力発電による電気を利用したマイニング電力のコストは、今年のピークに達している。
また、大規模なマイニングプールの経営者たちからは、赤字経営が3ヶ月続いているとの話を聞くが、これは2014年以降かなり稀な出来事だ。
このように仮想通貨の相場が右肩下がりのトレンドにある中、エネルギーコストが値上がりしていることが、さらに経営を圧迫しているだろう。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します