仮想通貨関連の相談件数、前期比36%減少|金融庁「金融サービス利用者相談室」の受付状況に関する最新報告書

金融庁が報告書を公表
金融庁は、平成30年10月1日~同年12月31日までの期間中に金融庁へ寄せられた、仮想通貨等を含めた相談件数と相談案件の詳細をまとめた報告書を公表した。

金融庁が報告書を公表

金融庁は8日、「金融サービス利用者相談室」における相談等の受付状況等、と題して、平成30年10月1日~同年12月31日までの期間中に金融庁へ寄せられた相談件数と相談案件の詳細をまとめた報告書を公表した。

今期寄せられた相談の総受付件数は9,431件で、前期の9,364件と比較すると、ほぼ同水準となっている。

しかし、仮想通貨に関する相談件数は、前四半期と比べ、1,231件から788件と、約36%大幅に減少し、世間からの仮想通貨への関心が薄れていることが読み取れるかもしれない。

今期寄せられた相談内容とその件数は、以下の通りとなっている。

・ 預金・融資等に関するもの  2,874件 (前期比 -10件)

・ 保険商品等に関するもの   1,913件 (前期比 +52件)

・ 投資商品等に関するもの   2,264件 (前期比 +248件)

・ 貸金等に関するもの     683件 (前期比 +102件)

仮想通貨等に関するもの    788件 (前期比 -443件)

・ 金融行政一般・その他     909件 (前期比 +118件)

最近の金融庁の動き

先月に、金融庁が、銀行など預金を取り扱う金融機関や仮想通貨交換業者など全ての金融機関に対して、マネーロンダリング・テロ資金供与防止のため、体制整備状況や関連データを報告する事を命じていたことが判明している。報告命令自体は、昨年12月に出ていたという。

国際組織の金融活動作業部会(FATF)の第4次対日相互審査を今年10月29日に控え、資金洗浄に対する体制整備が欠如している仮想通貨交換業者などへ、早期の改善を促す方針だ。

資金洗浄対策をグローバルで推進する「政府間会合金融活動作業部会」であるFATFの審査に対して、法的規制が十分にカバーしていない懸念は、これまで日本政府や金融業界でも問題視されていた。

仮想通貨取引所に対して報告を求めている内容は、以下の通りとなっている。

  • 法人・個人の口座数
  • 顧客の法定通貨、仮想通貨の金額
  • 匿名性の高い仮想通貨を保有する顧客の口座数や資産額の情報
  • 取引のある海外取引所の詳細
  • ミキサーやタンブラーを使う顧客の推移

昨日公表された金融庁の報告書を見ても分かるように、現在仮想通貨に関する関心は薄れてきているものの、金融庁は着々と法整備を進め、仮想通貨業界の健全化、透明化に取り組んでいる。

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主要国の金融監督当局で構成されるFSBは、国際的な連携を整えるため、G20の議長国であり、利用者保護のルール作りで先行する日本が主導で策定に臨む。今秋にはFATFの日本市場審査も控えている。
金融庁が、仮想通貨交換業者を含む金融機関に対して、マネロン対策で報告命令を行なったことが、ロイターの報道で明らかになった。報告内容には取引のある海外取引所の詳細なども含まれ、より厳しい内容になる模様だ。
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