仮想通貨リップル(XRP)が急動意した「3つの理由」、ビットコインにも追い風|仮想通貨市況
- 仮想通貨市場
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●リップル(XRP)が急動意した「3つの理由」を考察
●イーサリアムのハードフォーク通過で、ビットコインの売り圧後退
金融市場と仮想通貨
2019年3月1日(金)の国際金融市場の値動きは、以下の通り。
日付 | NYダウ | 日経平均 | BTC価格 |
---|---|---|---|
2/25(月) | 26,031ドル(+181) | 21,528円(+102) | 41.8万円 |
2/26(火) | 26,091ドル(+60) | 21,449円(-78) | 41.9万円 | 2/27(水) | 26,057ドル(-33) | 21,556円(+107) | 42.1万円 |
2/28(木) | 25,985ドル(-72) | 21,385円(-171) | 42.5万円 |
3/1(金) | 25,916ドル(-69) | 21,602円(+217) | 42.6万円 |
本日の東京株式市場は、217円高の21,602円と反発。
米朝首脳会談では、交渉決裂となったが、予想の範疇なので織り込み済みか。それよりも、中国指標の改善などによる懸念後退でドル円が111円台後半となるなど円安に振れ、海外勢の先物買いが指数を押し上げた。
経済への不透明感も指摘される中、ドル円は「年初来高値」を更新しており、トヨタ自動車など輸出企業の業績押し上げも期待できることから、投資家心理も改善されやすい。
個人投資家を中心に割安銘柄が物色されている株式市場では、仮想通貨(ブロックチェーン)関連株にも資金が流入し始めており、今春以降の仮想通貨セクターへの期待感などから、コインチェックを傘下に収めたマネックスグループ(8698)が3.52%の終値441円まで回復したほか、SBIやセレス、フィスコなども堅調に推移した。
リップル(XRP)が急動意
本日、リップル(XRP)が急動意を見せ、仮想通貨市場が全面高となっている。
その理由について考察した。
理由1:
リップル社は3月1日、同社ツイッターの動画の中で、2017年より続くRipple社主催のイベント「SWELL」の開催が今年も継続して行われることを明かした。
SWELLとは、米Ripple社が主催する国際カンファレンスの名称で、「巨大な波(XRP革命の大きさ)」を意味する用語だとされている。世界各国における、政治・経済界、銀行業界、ブロックチェーン業界のリーダーが一堂に介し、「送金の未来」について議論する場だ。
昨年は、米国の元米大統領のビル・クリントン氏を筆頭に、サウジアラビアやブラジルの中央銀行責任者らが登壇することで、金融市場からも高い関心を集め価格高騰を招いた。
”仮想通貨元年”と呼ばれた2017年には、米国の中央銀行制度であるFRB(連邦準備制度)議長を長年務めた「ベン・バーナンキ(在任:2006年-2014年)」氏が登壇。カンファレンス初日に「ビル・ゲイツ財団」との提携を発表した上、2日目には日本の大手企業である三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)やSBIホールディングスの重役も登壇するなど、XRPプロジェクトに携わる有力筋を確認することができる。
仮想通貨市場の価格形成にも大きな影響を及ぼすため、最注目イベントだと言えるだろう。
SWELL2018の特集記事はこちら
理由2:
2つめの理由は、米最大手仮想通貨取引所である「Coinbase.com」で、XRP取引が可能となったことだ。
先日、CoinbaseProでの取引開始が発表されたばかりだが、より幅広いユーザー層にリーチするCoinbase.comの本体にも上場、IOSやAndroidアプリでもフルサポートされたことが、投資家から好感された。
膨大なリツイート数、およびファボ数がついている事からも、その反響の大きさが浮き彫りになっている。
同取引所は、仮想通貨XRPの「有価証券問題」などが燻っていることを理由に上場を見送っていた経緯があるとの指摘があり、今回の上場には、「流動性面」と「米国規制面」で大きな意味を持つと言えるだろう。
このような米最大手の前例ができたことで、今後、同様に有価証券問題を懸念して、XRP上場を控えていた取引所も追従する可能性が高い。
XRPの有価証券問題については、SBIホールディングスの北尾氏もCoinPostのインタビューに対し、独自の見解を述べている。
理由3:
3つめの理由は、金融マーケット全体の地合い、及びセンチメント(市場心理)の改善が挙げられる。
昨年11月には、時価総額上位に位置するビットコインキャッシュ(BCH)の、チェーン分岐を伴う「敵対的ハードフォーク」によるハッシュ戦争が勃発し、ビットコイン価格が2018年に何度も急反発していた最終防衛ライン65〜69万円を大きく割り込み、投げ売りの連鎖で大暴落を引き起こすなど、仮想通貨市場は焦土と化した。
しかし、今回のイーサリアムのハードフォークは、かねてよりロードマップ上で予定されていた「大型アップデート:Constantinople」の一環であり、機能・技術面を含め、実用性などの改善が期待される正規のものだ。
したがって、想定外のイレギュラーがない限り、ポジティブ要因であり、昨年末に多くの投資家の脳裏に焼き付いているような、過剰な警戒感も大きく解消したと言える。また、同じく2018年に暴落続きだった日米株式市場も順調に回復を見せており、「個人投資家の余力(信用毀損率)」は大幅に改善傾向にある。
セルザファクト(材料出尽くし)の相場の格言も意識されていたため、マーケットメイカーなど大口短期筋の売り仕掛けに利用される懸念もあったが、現時点では一定の安堵感が伺える。
ビットコインテクニカル分析
急落の爪痕がダメージとして残る中、先行指標となるアルトコインの堅調さに後押しされ、ビットコインも再び強さを見せつつある。
4時間足でチャートを確認すると、再び発生した長い下ヒゲで、40万円以下での買い意欲の旺盛さを確認した後、レジスタンスの42.7万円に向けて下値を切り上げ、3連続陽線をつけているため、油断はできないものの、短期では上優勢か。
今朝方、イーサリアムの大型アップデート「Constantinople/St. Petersburg」が無事完了し、”売り圧力”が低下していることも要因の一つと言えるだろう。
巨大な経済圏を持つ「楽天」の本格参入など、今春以降は、多くの好材料も控える仮想通貨市場。長らく続いた”クリプトウインター(冬の時代)”を終え、春が訪れるのか、見守っていきたい。
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