FATFの日本審査を控え、国内大手仮想通貨取引所「BITPoint」代表がマネロン対策に言及
- FATF控え、「BITPoint」代表がマネロン対策に言及
- 日本国際金融フォーラムの場でBITPointの小田氏は「FATFを見据えた内部管理体制」を重点的に構築していると強調。仮想通貨交換業者がしっかり対応することで、業界全体の信頼向上につながると述べた。
FATF控え、「BITPoint」代表がマネロン対策に言及
先日、都内で開催された「日本国際金融システムフォーラム2019」で、「金融ITの革新と金融・資本市場」をテーマにで開催された。
仮想通貨Watchの報道によれば、国内大手仮想通貨取引所「BITPoint」を運営する株式会社ビットポイントジャパンCEOの小田玄紀氏が、FATFの国際審査を控え、「仮想通貨ビジネスに求められる経営管理体制(FATF対応と海外の最新動向)」とのテーマで講演を行なった。
- FATFとは
- 金融活動作業部会のこと。マネー・ロンダリング対策における国際協調を推進するため設立された政府間機関。仮想通貨も監視対象に含まれる。
主な内容は、「仮想通貨交換所のAML/CFT(マネーロンダリング/テロ資金供与対策)」についてだ。金融活動作業部会のことで、マネー・ロンダリング対策における国際協調を推進するため設立された政府間機関となる。
重要な点は、2008年に実施された第三次対日審査とは異なり、今回は仮想通貨関連企業も調査対象に含まれるという部分だ。
FATFの第4次対日相互審査における、日本へのオンサイト審査は、2019年10月-11月頃を予定している。
実に11年ぶりとなるが、前回(2008年)に公表されたFATF第3次対日審査において、銀行を含む金融機関全体のAML/CFTで、49項目中25項目で要改善(不備10項目、一部履行15項目)で27ヵ国中18位という厳しい評価を受けた。
FATFによる主な審査対象は、以下の通りだ。
- 銀行・証券・信用協同組合
- 仮想通貨交換業者
- 資金移動業者
- 証券会社
- 保険会社
- 資産運用会社
重点候補とされるのは、資金の流出入が集中する「銀行などの金融機関」、少額決済を担う「資金移動業者」、新しい資産クラスである「仮想通貨交換業者」だ。
FATFは、日本やアメリカなど35カ国に対して、資金洗浄やテロ資金供給防止のため、仮想通貨取引所などを商業銀行と同様に規制すべきと推奨していく模様だ。
仮想通貨交換業者の対策は
小田氏は「第4次FATFを見据えた内部管理体制を構築」するとして、高い水準で対策を進めていると強調。
仮想通貨交換業者がしっかりとFATFに対応することで、仮想通貨全体の信頼向上につながる」と述べ、FATFへの対応を最重要テーマとして取り組んでいることを強調した。
顧客リスクの格付けでは、口座開設時に求められるKYC(顧客確認)といった「基礎格付け」に加え、取引頻度や取引量、不特定多数アドレスとの送受金などをモニタリングして「行動格付」を実施。
基礎格付けスコアを基に閾値を設定し、取引内容に異常値が出た場合、アラートフラグが立つことで、不正取引を迅速に排除出来る仕組みを導入したという。
不正取引疑惑がある場合、当局へ通知すると共に、利用者本人に電話確認などを行う。
小田氏は、昨年1月末に発生した「コインチェック事件」などで2018年の国内仮想通貨市場に大きな影を落とした「ハッキング(不正流出)対策」も合わせて極めて重要だと述べ、金融商品取引業者水準のサーバー管理態勢を自社で構築し、システムに依存せず24時間365日の人的監視により、リスク管理を行なっていると強調。
「どれだけ対策を実施しても、完璧なセキュリティは実現しない。可能な限りの対策を施した上で24時間365日、人の目で監視・監督していくこともまた大事だ」と講演を締め括った。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します