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CFTC元委員長「銀行こそがクラリティ法を必要としている」、米金融デジタル化の遅れに懸念

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • 規制不在で銀行のIT投資が停滞中
  • 利回りを巡り銀行界と大統領が対立

明確な規制不在の影響を受けるのは

米商品先物取引委員会(CFTC)の元委員長であるクリス・ジャンカルロ氏は、8日に公開されたポッドキャスト番組「The Wolf Of All Streets」で、仮想通貨市場構造を規定する「クラリティー法案(The Clarity Act)」を最も必要としているのは、仮想通貨業界よりもむしろ伝統的な銀行業界だと主張した。

仮想通貨業界は、ゲンスラーSEC委員長時代の「厳しい締め付け」の下でも、着実に開発を続けてきた。リスクを厭わず挑戦を続け、国内外問わず開発を推進する業界だとジャンカルロ氏は語った。

一方、「銀行は規制の不確実性を許容できない」と同氏は指摘する。

銀行は、既存の「アナログネットワーク」が、仮想通貨技術に取って代わられる可能性を認識しつつも、取締役会は、法的な確実性がない限り、数十億ドル規模の技術投資を承認することはできない。

銀行が二の足を踏んでいる間にも、仮想通貨技術は進展し、米国ではなく欧州やアジア諸国がデジタル基盤を構築するだけだ。デジタル基盤構築後は、「IDとメッセージに基づいた」米国のアナログシステムは機能しなくなり、米国の銀行が後手に回ることになるとジャンカルロ氏は警告した。

銀行がこの「明確さ」を必要としているのは、自らこのシステムを構築しなければならないからだ。銀行はイノベーションの最前線に立つべきで、後衛に甘んじるべきではない。

関連:トークン化証券とステーブルコインが切り拓く次世代金融とは?野村・大和・ブラックロック・フランクリン|MoneyX2026

法案可決の可能性

ジャンカルロ氏は、クラリティ法案の進展を悲観しておらず、可決の可能性を60%と予測している。

同氏は、クラリティ法案を「金融システムの新たなアーキテクチャ」と位置づけ、米国金融の近代化に向けたその必要性は、超党派の穏健派議員の間ですでに広く認識されていると考えている。法案の審議は政治的対立に巻き込まれ停滞しているが、両党の「理性的な」議員の存在が、最終的には法案成立を後押しすると見ている。

もし法案が成立しなかったとしても、SEC(証券取引委員会)のポール・アトキンズ委員長やCFTCのマイク・セリグ委員長のリーダーシップの下、当面は機能する独自のルールが策定されるだろうとジャンカルロ氏は見ている。ただし、そのようなルールには立法による裏付けがないため、次期大統領選までの「一時的な解決策」にとどまると指摘した。

法案停滞の要因

クラリティ法案が上院で停滞している要因の一つに、ステーブルコインの利回りをめぐる対立がある。

銀行業界や一部の規制当局は、利回りを認めることが既存の預金システムを脅かし、金融安定性を損なうと懸念している。一方、仮想通貨推進派はイノベーションのために不可欠だと主張しており、その溝が埋まらない状況だ。

JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン氏CEOは2日のCNBCインタビューで、ステーブルコインの残高に報酬を支払う仮想通貨企業は銀行として登録・規制されるべきだという厳しい見解を示した。この報酬を「利息と同等」と位置付け、銀行並みの規制(資本要件、流動性、預金保険、AML基準など)を適用すべきと強調した。

この発言に対し、米大統領暗号資産諮問委員会のパトリック・ウィット事務局長は、ダイモン氏の見解を「意図的に歪曲されたもの」と強く反論した。

ここでの欺瞞は、残高に対して利回りを支払うこと自体が銀行並みの規制を必要とするのではなく、その裏付け資産であるドル残高を貸し出したり、再担保に回したりすることこそが規制を必要とする点にある。ジーニアス法は、ステーブルコイン発行者によるこうした行為を明確に禁じている。

ウィット氏は、ステーブルコインの残高を銀行預金と同等に扱うべきではないと付け加えた。

また、ドナルド・トランプ大統領は4日、自身のトゥルース・ソーシャル(Truth Social)への投稿を通じて、銀行業界が仮想通貨分野の規制整備を妨害していると激しく非難した。

トランプ大統領は、銀行が「クラリティ法案を人質に取っている」と批判し、銀行の反対が法案停滞の原因だと指摘した。さらに、米国を「世界の仮想通貨の首都」にするための強力な仮想通貨アジェンダを守る姿勢を強く示した。また、地政学的リスクに言及し、「中国などへ産業が流出する可能性がある」と警告した。

 

関連:JPモルガンのダイモンCEO、ステーブルコイン利回りに銀行並み規制を要求 妥協案にも言及

関連:トランプ大統領、銀行界の「仮想通貨改革」妨害を批判 クラリティ法案の早期成立を要求

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