- クラリティー法案の行方に影響か
- 銀行規制の適用を主張
仮想通貨法案の審議が暗礁に
CNBCが3月3日に報じたところによると、JPモルガン・チェースのCEO、ジェイミー・ダイモン氏は3月2日のCNBCインタビューで、ステーブルコインの残高に報酬を支払う仮想通貨企業は銀行として登録・規制されるべきだという厳しい見解を示した。
同氏は、銀行と同様の残高報酬を提供しようとする企業は、資本・流動性要件、FDIC預金保険、マネーロンダリング対策、コミュニティ投資義務、報告・ガバナンス規制などを同様に遵守すべきだと主張した。
また、取引に連動した報酬と残高に対する利息相当の報酬を区別し、前者は容認できる妥協案になり得ると述べた。
この発言の背景には、米国の仮想通貨市場構造法案をめぐる銀行業界と仮想通貨業界の対立がある。2025年にトランプ大統領が署名したジーニアス法はステーブルコイン発行体への規制枠組みを定めているが、コインベースのような第三者プラットフォームが顧客へ報酬を提供することは明示的に禁じていない。この「抜け穴」をめぐり、銀行側と仮想通貨側の主張が真っ向から対立している。
関連:JPモルガン、仮想通貨市場構造法案が年央までに可決と予測
銀行業界は、高利回りのステーブルコイン商品が特に地域のコミュニティバンクから預金を引き出し、金融システムの安定性を損なう恐れがあると主張している。一方で、コインベースは顧客への報酬付与権限を守るため法案への支持を撤回し、1月に予定されていた上院銀行委員会の採決が棚上げとなった。
TDコーウェンのワシントン・リサーチ・グループは、銀行側は消費者への還元に反論しているとして政治的に不利な立場にあると指摘しつつも、この対立がクラリティー法案全体の成立リスクを高めていると警告。ダイモン氏自身は、JPモルガンも独自のデポジットトークンを開発し、ブロックチェーンを活用した決済インフラに投資していると述べ、競争自体を否定しているわけではないことを強調した。
上院農業委員会は1月29日に12対11の僅差でクラリティー法案の所管部分を可決したが、上院銀行委員会の審査を経て両委員会案を統合した上で、上院本会議での採決に臨む必要がある。ホワイトハウスは3月1日を期限として銀行・仮想通貨双方の代表者間の協議を主導したが、具体的な合意には至っていない。
ステーブルコイン利回りへの規制適用をめぐる攻防は、クラリティー法案の行方を左右する最大の焦点となっている。
JPモルガンのアナリストチームは、市場構造法案が年央までに成立すれば、2026年後半のトークン化・機関投資家参入の触媒になると試算している。しかし、イラン情勢をはじめとする地政学リスクが議会の優先課題を左右する可能性もあり、11月の中間選挙前に審議が再び停止するリスクもある。
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