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Ethereum Japan ワーキンググループが発足「国内企業のRWA参入に共通基準を」|WG設立記念イベント

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

国内企業のオンチェーン参入に標準基準を

一般社団法人Ethereum Japanは3月9日、国内企業によるRWA(現実資産のトークン化)やステーブルコインのオンチェーン利活用推進を目的とした「Digital Assets Working Group(以下WG)」を設立した。

事務局はアライドアーキテクツが担い、設立を記念したイベントにはFracton Ventures、マイナウォレットなど国内Web3スタートアップ各社が参集した。

WGの目的と活動内容

WGが解決しようとしている課題は、国内企業のデジタル資産参入における「実務上の不確実性」だ。Ethereum JapanのSho H.氏は「技術的な障壁はすでに多くが解消されている。残るボトルネックはルールの不在と、どうやればいいかわからないという状況」と指摘した。

具体的には、権限管理の設計、資産の計上方法、KYC・AML対応、監査に耐えられるオペレーション構築といった実務要件が、企業ごとにバラバラのまま整備されていないのが現状だという。WGではこうした論点を参画企業が持ち寄り、ユースケースごとのベストプラクティスを共同で策定する。

設立趣旨としてEthereum Japanは「参入事業者の不確実性を低減するため、可能な範囲で共通の企業基準を確定する」と説明。最終的には知見をパッケージ化し、業界全体への普及を目指すとしている。

参画企業はFracton Ventures、マイナウォレット、Pheasant、RIKYU、アライドアーキテクツの各社で、事務局はアライドアーキテクツが担う。銀行・証券・決済事業者・フィンテックなど幅広い業種の企業を対象としている。

3月にキックオフを実施し、有識者との議論および国内企業へのヒアリングを開始する。6月には国内企業のイーサリアム活用における課題整理とNext Stepsをまとめたレポートを公開予定。9月のETH Tokyo、11月のDevconでは進捗報告と国際的な議論との接続を予定している。

市場の現状:70兆円規模のインフラへ

同イベントでSho H.氏は、デジタル資産市場の現状を概説した。ステーブルコインの流通総額は約70兆円規模に達し、RWA市場も約4兆円規模になっていると説明。

Visaがすでに5,000億円超のUSDCを決済に活用し、18カ国でのネットワーク展開を進めていることなどを挙げ「デジタル資産はすでに固有の資産クラスではなく、基盤的な金融インフラへと移行しつつある」との認識を示した。

一方、国内企業の対応については危機感も示された。権限管理の整備、資産の計上方法、監査対応可能なオペレーション構築など、参入に必要な標準的な準備が不十分なケースが多いと指摘。「トークンを発行しても、裏付けとなる信頼が担保されなければ価値を持たない」として、事業者が共通基準を持たないまま参入するリスクを強調した。

株式のトークン化についても、技術的にはすでに実現可能な段階にあるとしながら、法的権利の帰属や仲介業者の破綻時の対応など、制度面での整理が残されていると説明した。

事務局アライドアーキテクツの戦略

WGの事務局を担うアライドアーキテクツからも大木悠CCO(最高暗号資産責任者)が登壇した。

同社は2005年創業のデジタルマーケティング企業で、累計6,000社以上の支援実績を持つ。2026年1月にクリプト領域の事業を新設し、①ビットコインなどを「デジタルキャピタル」として企業が保有・運用する仕組みの整備、②次世代金融インフラへの参入支援、③エコシステム事業の推進の3本柱を掲げる。

大木氏は、円安・インフレが進行する中で企業が自社資産を守る手段としてビットコインへの注目が高まっていると指摘した。MicroStrategyのマイケル・セイラー氏が提唱する「デジタルキャピタル」の考え方を参照しつつ、国内企業が保有・運用のノウハウを蓄積することの重要性を説いた。

また、トークン化資産市場は2033年までに約2,800兆円規模に達するとの見通しを示し、「単に保有・運用するだけでなく、エコシステムの成長に貢献するエコシステムカンパニーとして関わることが重要だ」と述べた。

WGへの関与についても言及。大木氏はメンバー兼事務局として参画するにあたり、「優秀な開発・インフラ企業と参入を検討している企業をマッチングし、事業開発につなげたい」と述べた。

またこうした活動が「日本からクリプトエコシステムを育てることに繋がる」とし、日本企業のオンチェーン参入を促進することでイーサリアムエコシステムの成長を後押しする役割を担う意向を示した

関連:『日本はDAT先進国になれるかもしれない』アライドアーキテクツCCO大木氏が展望語る

イーサリアム財団が見る日本の可能性

スペシャルセッションではイーサリアム財団のAdrian L.氏が登壇し、イーサリアムが10年以上無停止で稼働し続けてきた実績を紹介した。

ブラックロックのトークン化ファンドをはじめ、機関投資家によるイーサリアム上のRWA活用が広がっていることにも触れ、日本については証券・資産運用分野の強みを活かした展開が期待できるとの見方を示した。

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