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ビットコイン地政学リスク後退で反発、和平交渉とインフレ指標が次の焦点|bitbankアナリスト寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今週の週次レポート

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が、今週の暗号資産(仮想通貨)ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

今週の週次レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円相場は小幅上昇し、10日正午時点で、1150万円周辺で推移している。 週初は1100万円前後で取引を開始。米国とイランの間で停戦に向けた調整が進んでいるとの観測が浮上すると、リスク選好が強まり、一時は1120万円近辺まで上昇した。

しかし、その後はイラン側が提示された停戦条件を受け入れない姿勢を示したことで緊張が再燃。リスク回避の動きからBTCは反落し、一時1080万円台まで下落した。

7日には、米政府関係者から協議進展を示唆する発言が伝わり、過度な警戒感が後退。これに加えて米国とイランが2週間の停戦で合意したことで、BTCは急反発し、1150万円台まで値を戻した。

もっとも、翌8日には、イスラエルによるレバノンへの軍事攻撃が継続しているとの報道が重石となり、上値は抑制された。以降は米・イランの和平交渉を控え、1120万〜1140万円レンジでのもみ合いに移行した。

10日未明には、米国がイスラエルに対して攻撃停止を求めたことや、イスラエルがレバノンと停戦交渉を行う意向を表明し、リスク選好が一段と強まった。これを受けてBTCは一時1160万円近辺まで上昇し、週内高値を更新。その後は1150万円前後で推移している。

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】
出所:bitbankより作成

目先では、米・イラン和平交渉と米インフレ指標が注目材料として挙げられる。

イスラマバードで開催される米国とイランの初回交渉では、イランはホルムズ海峡の通航料徴収や被害賠償を求める一方、米国は核開発の完全放棄やホルムズ海峡の正常化を要求しており、双方の主張には大きな隔たりがある。

このため、初回交渉で大きな進展が得られる可能性は高くないとみられる。尤も、市場はこうした状況をある程度織り込んでいると考えられ、交渉が決裂せず継続されること、あるいは次回協議の日程が設定されるだけでも、リスクオン材料として受け止められる可能性がある点には留意したい。

他方、3月は中東情勢の悪化を背景に原油価格が上昇しており、その影響がインフレ指標に反映される可能性がある。 市場はある程度これを織り込んでいるとみられるが、予想を上回る物価上昇が確認され、インフレが制御困難との印象を与える場合には、リスク資産全体に下押し圧力がかかる公算が大きい。

一方で、和平交渉の進展によりホルムズ海峡の正常化期待が高まれば、原油価格の上昇が一過性と評価され、インフレ懸念の後退につながる展開も想定される。

よって、「交渉決裂回避」+「インフレは概ね予想通り」となれば、地政学リスクの緩和と、原油高が一過性であるとの見方が強まり、リスクオン優勢となろう。この場合、BTCは3月高値1200万円周辺を試す可能性があるだろう。

また、同水準を上抜ければ、年初来の下げ幅を縮小する展開も視野に入る。ただし、「交渉成果なし」+「インフレ上振れ」となれば、足元の中東情勢収束への期待感は180度一転すると言え、地政学リスクとFRBによる政策引き締め懸念が同時に意識され、BTCはドル建てで節目の6万ドル〜6万5000ドルレンジ(約956万円〜1035万円)への押し戻しも想定される。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:ビットバンクプラス公式サイト

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