日本国内企業、過半数がブロックチェーンの将来性に期待感|ガートナージャパンが調査

日本企業の過半数、ブロックチェーン技術に期待感を示す
国内企業のブロックチェーンに関する意識調査から過半数の企業が同技術に期待感を寄せている。一方で経営層の同技術への理解度低下を示すデータも出ており、業界の変化に経営層が追いつけずにいる現状も指摘された。

日本企業の過半数がブロックチェーン技術に期待感

リサーチ&アドバイザリー企業ガートナージャパンが、日本国内企業のブロックチェーンに関する意識調査の結果を発表した。

同調査の「今後10年を見据えた時に、ブロックチェーンは社会やビジネスにどのような影響を及ぼすと考えるか」という質問において、65%の企業がブロックチェーンの将来に大きな期待を寄せている現状が明らかになったという。

回答者の多くが、ブロックチェーンはいずれインターネットの出現に匹敵するインパクトをもたらす、あるいはUberやAirbnbが市場を席巻したようにビジネスを変革するとみているという結果となった。

回答の詳細としては、以上の図のようになっている。

しかし、そのように企業からのブロックチェーンに対する期待感は強くあるとも捉えられる一方で、企業の経営層のブロックチェーンへの理解度の低下を示すデータも、同社の今年2月の調査によって明らかになった。

同調査によると「ブロックチェーンを理解している」経営層の割合は16.7%に留まり、昨年2月の27.8%と比較するとその割合に低下がみられる。

同社は、この結果は、変化し続けるブロックチェーン技術の動きに経営層が追いつけずにいることを意味しているとしている。

また、同社のアナリストでバイスプレジデントを務める鈴木 雅喜氏(以下、鈴木氏)は、ビジネス向けブロックチェーンの活用には技術的な課題とビジネスへの応用に伴う課題の両方が残っていると指摘。

ユースケースの不足からブロックチェーンの普及には今しばらく時間がかかるとし、経営層に対してはビジネス上のインパクトとリスク、将来への期待などに焦点を当てた分かりやすい説明をすべきであるとの見解を示した。

期待感の一方で、ブロックチェーン技術の変化の速度からビジネスへの応用に停滞がみられる結果となったが、鈴木氏は、そのような状況の中でもブロックチェーンへの積極的な取り組みを続けている企業は存在するとする。

そして、それら企業がそうした活動を継続しているのは「ブロックチェーンは将来の世界を変え得るインパクトを持ち、新たな市場で主導権を握る滅多にない機会をもたらす可能性を理解しているから」であると自身の意見を述べた。

大手銀行などによるブロックチェーン技術の応用が相次いで公表されているが、金融セクター以外での活用が近い将来で増えていくことは見込めるのか。

今回の調査からは、変化が著しいブロックチェーン技術をどのように理解を促していくかといった点が、その普及において必要であることが伺えるだろう。

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