ビットコインの「メイヤー倍数」2018年1月バブル崩壊以来の水準に到達|仮想通貨市況
- 仮想通貨市場
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●ビットコイン一服も、反発強く
●メイヤー倍数「2.4」が高騰水準とされる理由を過去データから検証
金融市場と仮想通貨
29日の東京株式市場は、投資家心理の悪化に伴い米国市場が軟調だったことで、半導体銘柄を中心に弱含み。前日比256円安の21,003円で引けた。
米長期金利が1年8カ月ぶりの低水準となったことも警戒されている。日本経済研究センターが開催した景気討論会でも、19年の中国景気について、「米中貿易摩擦が長引けば、中国政権の掲げる”成長率6%”割れも見えて来るだけでなく、日本をはじめとする東アジアや欧州経済からの依存が大きい」として警戒を強めている。
先物でも日中安値を割れており、直近の東証空売り比率も46.9%と昨年10月に記録した過去最高水準の50.8%に迫る水準を推移しており、昨年10月や年末年始の暴落を引き起こしたクレディ・スイスの先物売りなどが先行している可能性も指摘されている。
仮想通貨(ブロックチェーン)関連株では、REMIXが4.51%安となったほか、マネックスグループも3.07%安となった。
ビットコインテクニカル分析
ビットコインは、短期的な急騰の反動で、100万円の大台を前に一服。サポートライン割れで約3万円幅の下落を見せた。
28日に国内大手bitFlyerのBTCFXでレバレッジ規制が入ったことも一因とみられ、板が薄くなったことで市場の性質の変化を見極めるべく投機家の様子見基調強まっている。規制前に建てた15倍(フルレバレッジ)のロングポジションを刈り取るような動きもあるため注意が必要だ。
下位足で見ると、底値割れするような動きから16日と21日に記録した最高値の91.5万円に接触することなく急反発した。時間足でモメンタム系オシレータのRSI(相対力指数)が30を割り込んだのは、16日のフラッシュクラッシュ以来であり、これも意識された可能性がある。
チャネル内のレンジにあるようにも見受けられ、95万円付近を上抜け(①)するか、92万円を下抜けるか(②)は一つの焦点となり得る。
メイヤー倍数が500日ぶりの高水準に到達
年初来から130%の高騰を見せるなど高い水準での価格推移を続けるビットコインのメイヤー倍数が、1月15日以来約500日ぶりの高水準となる「1.90」に到達した。
メイヤー倍数は、海外投資アナリストのTrace Mayer氏が考案した仮想通貨独自の指標で、過去データから「2.4」を超えると仮想通貨市場が暴騰しやすい傾向が検出されており、ビットコインの現在価格は200日平均価格比較でおよそ+90%であることを示している。
メイヤー倍数とは
海外の仮想通貨アナリストTrace Mayer氏が考案したビットコインの現在価格を200日移動平均線で割った数値。1.0を超え始めるとBTC価格がポジティブな地合いに、2.4を超えると長期的な上昇が見られる傾向があるため長期的なトレンドを図る上で有益な指標とされる。
ビットコインのメイヤー倍数平均値が1.48で、過去10年チャートではこの数値より高い水準は約18%に留まっていることを踏まえると、現相場の地合いがいかに良い状態にあるかが伺える。
ビットコインのメイヤー倍数が1.9に到達するのは、バブル崩壊前後の1月15日以来で、それ以前にはビットコインのメイヤー倍数が2.4を超えた事例は大きく分けて5度ほどあった。その間、いずれもビットコイン価格は高いボラティリティで高騰をした経緯がある。
実際、ビットコインのメイヤー倍数は今年4月2日の急騰で、昨年3月以来386日ぶりに1.0水準まで復帰。その約3週間後には、ビットコインの50MAが200MAを突破して4年ぶりに「ゴールデンクロス」を形成していた。
今年4月の関連記事
Mayer氏は、メイヤー倍数2.4以下の段階は、ビットコインの購入タイミングとして適していると説明している。
市場に復帰するボラティリティ
なお、ビットコインの月間ボラティリティーが昨年12月以来の高水準に到達したことがブルームバーグの調査で明らかになった。
ビットコイン価格の変動性(ボラティリティー)を月別の平均で比較すると、今年5月の「4.7%」は、2019年以降ダントツで高い数値であることが伺える。
ビットコイン、9700ドルまでブル相場予想
海外人気アナリストのJosh Rager氏は、昨日からのプルバックに対して、強気姿勢を継続している。
Rager氏は「仮に8400ドル(約92万円)まで価格調整をしても、依然として9400ドル〜9700ドル(100万円〜106万円)に達するまでは強気相場の継続だろう。その価格帯まで上昇していけば、大口投資家はおそらく利確するために売ると考えられる。」と述べている。
なおRager氏は、多くのトレーダーが30%ほどの価格調整を見ていることに対して、「歴史的な価格調整は、もちろん全ての根拠にはならないが、機関投資家らがポジションを争う中、大規模調整は7〜8月までに起きない可能性も考えられる。」と説明した。
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