ソニーグループとStartale Groupの合弁プロジェクト「Soneium(ソニューム)」が、2025年1月のメインネット公開から2026年10月までに累計7億トランザクションを突破しています。日本発のレイヤー2(L2)チェーンとしては最大級の規模で、エンタメ特化という独自の立ち位置が注目されています。2026年10月にはエコシステムネイティブトークン「SONEIUM」の発行計画も公式発表されました。
この記事では、基本情報からエコシステム、トークンの動向、ソニーグループ全体の戦略までを解説します。
Soneium(ソニューム)とは?基本情報をおさえる
Soneium(ソニューム)は、ソニーグループとStartale(スターテイル)の合弁会社「Sony Block Solutions Labs」が開発する次世代イーサリアムL2です。2025年1月にメインネットを正式公開しました。
2023年9月の設立以来、「Realize the Open Internet that Transcends Boundaries」をミッションに掲げ、Optimism FoundationのOP Stackを活用した技術基盤の構築を進めています。Startaleは、Astar Network開発元のStake Technologies株式会社の渡辺創太CEOが2023年1月に創業。ソニーグループの持つゲーム、エンターテインメント、金融、家電分野での実績と、StartaleのWeb3技術の融合により、新しいデジタルエコシステムの創出を目指しています。
ソニーグループ × Startaleの合弁プロジェクト
Soneiumの開発主体はSony Block Solutions Labs(Sony BSL)です。
- 出資比率:ソニーネットワークコミュニケーションズ90% / Startale Labs Pte. Ltd. 10%
- CEO:渡辺創太氏(Astar Network創業者)
ソニーグループ内では、Web3関連の事業を担う関連会社が展開されています。
- S.BLOX:暗号資産交換業
- SNFT:NFT発行プラットフォーム
- ソニー銀行 × BlockBloom:ステーブルコイン領域の事業を加速中
ソニーが活かしているのは「IP・事業基盤・資金力」
Soneiumは「ソニーの技術が結集したチェーン」ではなく、技術コアに採用されているのはOptimismが開発したOP Stackというオープンソース技術です。ソニー側が担っているのは次の4点です。
- 人気アニメや音楽、ゲームといったエンタメIP
- グローバルなブランド力
- S.BLOXやソニー銀行を含む事業インフラ
- ソニーグループ全体の資金力
他のL2チェーンと比べたときの位置付け
| L2 | 運営主体 | 特徴 | エコシステムの方向性 |
|---|---|---|---|
| Base | Coinbase | 消費者向け取引所連携 | DeFi中心 |
| Arbitrum | Arbitrum Foundation | DeFi最大手 | DeFi中心 |
| Soneium | Sony × Startale | エンタメ特化・IP活用 | エンタメ・ゲーム・NFT |
| Unichain | Uniswap | DeFi独自実行環境 | DeFi中心 |
| INK | Kraken | 取引所系 | DeFi中心 |
技術仕様(参考)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 基盤技術 | OP Stack(Optimism)/処理方式:Optimistic Rollup |
| Chain ID | 1868 |
| ガス通貨 | ETH |
| ブロックタイム/ガス代 | 約2秒/0.01 USD未満 |
技術仕様面では他のOP Stack系L2と大きく変わらず、差別化はエコシステムの方向性にあります。
Soneiumのエコシステムでできること
身近なソニー製品から見るSoneiumの活用例
| 身近なソニー製品・サービス | Soneiumを通じてできること(または検討中) |
|---|---|
| Sony Musicのアーティスト応援 | NFTを活用したファン向け体験や支援施策が一部展開されている。 |
| アニメ作品を楽しむ | 「七つの大罪」や「Solo Leveling」などのアニメシーンを記念NFTとして保有できる |
| aibo(犬型ロボット) | aiboの公式デジタルコレクションをSBT形式で保有できる |
エコシステムの規模と主要プロジェクト
2025年1月のメインネット公開からおよそ1年9ヶ月で、累計7億件以上のトランザクション、総アドレス数1,600万以上、250以上のdAppsを記録しました(2026年10月時点、blockscout.com参照)。
Kyo Finance(DEX)やSake Finance(レンディング)が中心。2025年5月にはUniswapも対応。
YGG Japanの「YAIBA」がPlayStation/SteamのWeb3化SDKを提供。
公式マーケットプレイスSonovaが稼働。ソニーIPと連動した各種NFT・SBTを取り扱う。
参考:Soneium公式サイト
トークン発行とエアドロップは期待できる?
2026年10月26日、Soneiumは公式ブログにてエコシステムネイティブトークン「SONEIUM」の発行計画を正式発表しました。
SONEIUMトークンはなんのために発行されるのか
公式の説明によれば、SONEIUMトークンは「エコシステムの参加者全員をつなぐ経済レイヤー」として設計されています。Soneiumには現在、クリエイター・IPオーナー・ビルダー・ファン・投資家という異なるプレイヤーが存在しており、SONEIUMトークンはこれらをひとつのエコノミーとして機能させることを目的としています。
| プレイヤー | SONEIUMトークンが目指す役割(公式発表ベース) |
|---|---|
| クリエイター | 新作IPへの資金調達の新たな手段 |
| IPオーナー | IPのオンチェーン化による収益化・ライセンス管理 |
| ビルダー | エコシステム内での経済的インセンティブの提供 |
| ファン・投資家 | 好きなIPのエコノミーへの参加機会 |
ただし、具体的にどのような仕組みでトークン保有者への還元が行われるかは、現時点で公式から説明されていません。詳細はTGEの発表を待つ必要があります。
既存の報酬制度(STAR Points等)
Soneiumではエコシステム参加者向けの報酬制度が導入されています。ただし、これらの制度とSONEIUMトークンとの関連性は現時点で公式から一切発表されていません。また、エアドロップの対象条件や実施有無についても同様です。
| 制度 | 開始時期 | 内容 |
|---|---|---|
| STAR Points | 2025年12月 | Startaleエコシステム全体のポイント制度 |
| エコシステムバッジ | 2025年3月 | dApps利用条件を達成したユーザーにSBTを配布 |
| Soneium Score | 2025年8月 | オンチェーン活動をスコアとして可視化 |
USDSCとASTRトークン
- USDSC(Startale USD):2025年12月発行のSoneiumネイティブな米ドルステーブルコイン。米短期国債を裏付けに、M0プラットフォームをベースに発行されている
- ASTR:Astar Networkのネイティブトークンで、Soneiumエコシステムの主要アセットとして継続的に活用されている
最新動向と「ソニー経済圏」
2025年のメインネット公開以降、Soneiumはソニーグループ全体のWeb3戦略と連動しながら動向を広げています。主要なアップデートと「ソニー経済圏」における位置づけを確認します。
2025〜2026年の主要アップデート
2025年
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 1月14日 | メインネット正式公開 |
| 3月 | 「七つの大罪」NFT・aibo SBT・LINE提携の4ミニアプリ移行が立て続けに発表 |
| 4月末〜5月 | RWAチェーンPlumeとの提携、Uniswap統合 |
| 12月 | USDSC発行、STAR Points導入 |
2026年
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 1月 | Sony Innovation FundがStartaleへ13M USDを出資(Series A First Close) |
| 3月2日 | ソニー銀行がJPYCと戦略的業務提携の基本合意(MOU)を締結 |
| 3月25日 | SBI Groupが50M USDを追加出資(Second Close)、Series A合計63M USDが完了 |
| 10月26日 | SONEIUMトークン発行計画およびTokenized IPビジョンを公式発表。TGE詳細は後日公表予定 |
Tokenized IP:IPをエコシステムの経済基盤へ
2026年10月には、SONEIUMトークンとあわせて「Tokenized IP」という新構想が公開されました。音楽・ゲーム・アニメといったIPをオンチェーンに持ち込み、クリエイター・IPオーナー・ファン・投資家が関与できる仕組みです。3つの形態が用意されています。
| 形態 | 概要 | 事例 |
|---|---|---|
| IP Token | クリエイターや作品単位で発行されるトークン。ファンの証明として使うコレクタブル型と、IP内で通貨として使える流通型がある | Moriusa(Super State Holdings) |
| IP Vault | IPのロイヤリティ収益を裏付けとした投資型の仕組み | ipUSD(2026年10月28日公開) |
| Tokenized IP Bond | コンサート収益など実際のエンタメ事業を裏付けとした債券型 | DayOneDream(BTOB等のK-popアーティスト)と提携 |
これらを集約する公式プラットフォーム「Soneium Portal」が公開予定です。またIPの記録・関係性・収益分配をオンチェーンで管理する「オンチェーンIPアーキテクチャ」(IP Registry・IP Graph・IP Execution Layer)と、AI時代のライセンス管理を支えるEthereum標準規格「ERC-8432」への対応も発表されています。
IP Vault・ipUSDとは
2026年10月28日に公開された「IP Vault」は、音楽や映像IPなどのロイヤリティ収益を原資とした投資商品です。楽曲がストリーミングで再生されたり、テレビ番組が配信されるたびに発生するロイヤリティ収益を生み出す資産をファンドが保有しており、ユーザーはそのファンドに資金を預けることで運用成果に応じたリターンを得られる仕組みです。The Weekndの楽曲カタログやDiscoveryのテレビライブラリなど、10万件以上のロイヤリティ収入源を持ち、公式ブログによると推定利回りは年率7〜9%としています。ただしファンドの運用状況によって変動するため、預けた金額を下回るリスクもあります。
入出金には専用ステーブルコイン「ipUSD」を使用します。
ソニー経済圏とSoneiumの位置づけ
Soneiumはコンテンツから決済までを一気通貫でつなぐ、ソニーグループ全体のWeb3戦略の一角を担っています。
| レイヤー | 主な構成要素 |
|---|---|
| コンテンツ | PlayStation・ソニーミュージック・アニメ・aibo |
| チェーン基盤 | Soneium(Sony BSLが運営) |
| スーパーアプリ | Startale App |
| 取引・発行 | S.BLOX(取引所)/SNFT(NFT発行) |
| 金融・決済 | ソニー銀行・BlockBloom・JPYC連携(2026年3月MOU)・Bastion提携(米ドル建てSC) |
Astar(ASTR)とのつながり
AstarとSoneiumの関係は、単なる「同じ開発元」にとどまりません。両者の連携は「Astar Evolution」と位置付けられており、Astar zkEVMをSoneiumに移行し、両エコシステムの強みを活かした展開が進んでいます。この統合により、AstarのネイティブトークンであるASTRは、Astar Networkだけでなく、Soneiumエコシステムにおいても重要な役割を担っています。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 開発元 | Sony BSLの合弁パートナー、Startale Groupが開発。CEOは渡辺創太氏(Astar Network創業者) |
| 技術連携 | Astar zkEVM(旧Polygon CDKベース)はOP Stack(Soneium)への移行を発表済み。「Astar Evolution」として両エコシステムを統合 |
| ASTRトークン | Soneiumエコシステムの主要アセットとして広く活用。Soneium上のDeFi・ゲーム・NFT各分野で利用される |
具体的な連携事例として、Soneiumメインネット公開前の2024年12月には、ASTRホルダー向けのプレデポジットキャンペーン「Astar Surge」が実施されました。Soneiumエコシステムの5つの初期プロジェクト(Sake Finance・Kyo Finance・Yay!など)が共同で展開したこのキャンペーンは、ASTRをAstar Network上に預けることでSoneiumエコシステムの早期参加権・ポイントを獲得できる仕組みで、ASTRとSoneiumの橋渡し役として機能しました。
ASTRの詳細については以下で解説しています
Soneiumはどんな人に向いているか
Soneiumはエンタメ × Web3を軸にしたチェーンです。DeFiの数字を追うのではなく、ソニーIPに触れたり、Soneiumならではのコンテンツやキャンペーンを試したりといった、ここでしか得られない体験が魅力になります。
| 向いているタイプ | 得られるメリット |
|---|---|
| ソニーIPのファン | PlayStation・ソニーミュージック・アニメと連動したNFTやSBTを通じて、お気に入りのコンテンツを「保有できる体験」が得られる |
| エンタメ × Web3に興味がある人 | NFT・推し活・ファンマーケティングなど、他のL2では見られない新しいユースケースに早期から関われる |
| 日本発L2を応援したい人 | ASTRホルダーは関連エコシステムの恩恵を受けやすく、日本発プロジェクトの成長を間近で追える |
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よくある質問(FAQ)
Soneium(ソニューム)とは何ですか?
SoneiumはどんなL2チェーンですか?他のL2と何が違いますか?
SoneiumにはどんなプロジェクトやdAppsがありますか?
Soneiumのエアドロップやトークン発行の予定はありますか?
AstarとSoneiumはどんな関係ですか?
ソニーグループはSoneiumでどんなWeb3事業を展開していますか?
まとめ
Soneiumは、ソニーグループとStartale Groupの合弁会社Sony BSLが手掛ける、エンタメ特化のイーサリアムL2です。技術基盤はオープンソースのOP Stackで、ソニー側が持ち込むのはIP・ブランド・事業基盤・資金力になります。
公開から2026年10月までに累計7億トランザクション・総アドレス数1,600万以上を達成し、エコシステムは拡大段階に入っています。2026年10月にはSONEIUMトークンの発行計画も公式発表され、エンタメ × Web3に関心を持つ層や、Soneium・ソニー経済圏の動向を追いたい層が注目するチェーンとなっています。



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